HUBLOT 煌めきながら「時を刻む」モダンアート

今年、誕生から15周年を迎えたウブロのアイコン・コレクション「ビッグ・バン」。生みの親は2004年、ブランドの創業者カルロ・クロッコ氏に求められてCEO(最高経営責任者)に就任した時計業界のカリスマ、ジャン-クロード・ビバー氏である。

今ふり返っても、時計に対する深くて鋭い見識、天才的な経営手腕には改めて驚かされる。「ビッグ・バン」とはそもそも物理学の膨張宇宙論で、今から約10億年前に宇宙が誕生する際に起きた「宇宙の爆発的膨張」のこと。宇宙とその時間はこの時から始まった。

今考えると、よくぞこんな壮大なスケールの名前を付けたものだと感心する。ブランド全体を貫くコンセプトは「アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)」。その融合はさまざまな形で、魅力的な時計を生み出した。

ウブロを象徴するマテリアルだったラバーに、当時最先端のファインセラミックスやチタン、自社開発のゴールドなどを組み合わせて製品に採用するという素材の「融合」をはじめ、現在では人類最速の男ウサイン・ボルト選手や、伝説の天才ペレを代表とするサッカー界のレジェンドなどスポーツ界との「融合」。

さらに、名門シューメゾン「ベルルッティ」やラポ・エルカン率いる「ガレージ・イタリア」など最高峰の職人技との「融合」。誰もがその「融合」の斬新さに魅了される。今回の表紙「ビッグ・バンウニコサンブルーⅡチタニウムホワイト」は、ロンドンを拠点に世界的に活躍する最先端のタトゥー・アーティスト、マキシム・ビューチ率いる「サンブルーロンドン」とのコラボモデルの最新作だ。

文字盤からケース、ストラップに至るまで、シャープな線と面で構成され、2枚のひし形でスケルトン化されたディスクが時針と分針の役割を果たす。幾何学的な構成の強烈な美しさ、存在感はこれまでの「サンブルー」モデル以上といえるだろう。時計であると同時に「腕に着ける現代彫刻作品」として、モダンアート好きには見逃せない逸品である。

ビッグ・バン ウニコ サンブルーⅡ チタニウム ホワイト

新進気鋭のアーティストがケースや文字盤をデザインする。世界中のセレブリティの間で絶大な人気の「ビッグ・バン」の最新作。タトゥー・アーティストの枠を超えて活躍するマキシム・ビューチによるデザイン。時間の経過と共に、刻一刻と変わり続ける文字盤の立体的な幾何学模様。そのダイナミックな変貌はいくら眺めても飽きない。自動巻き。サテン&ポリッシュ仕上げチタンケース。ラバーストラップ。ケース径45mm。世界限定200本。293万7000円。LVMHウォッチ・ジュエリージャパン/ウブロ問03-5635-7055

Photographs:Hisashi Wadano
Text:Yasuhito Shibuya

2020年8月『HORLOGERIE』本誌より引用(転載)

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