【HUBLOT】MOP文字盤に深みを与えるチタンケースの軽快感

ウブロの大看板である「ビッグ・バン」と並び、中核コレクションであるのが「クラシック・フュージョン」。ブランドのDNAを再解釈したスタイルは、最もウブロらしい時計といえる。ウブロは1980年に実業家のカルト・クロッコによって創業。その第一作目となったのが「クラシック」であった。この時計は船の舷窓をイメージしたデザインで、18Kゴールドのベゼルをチタン製ビスで留め、天然のラバーストラップで仕立てられた。
高級ドレスウォッチに使われるゴールドと、カジュアルウォッチに使われるラバーストラップというまったくスタイルの異なる斬新な組み合わせは、ウブロの名を一躍高め、ラグジュアリースポーツウォッチの新たな旗手となったのであった。この数種類の異なる素材を組み合わせて作るスタイルは、その後の「アート・オブ・フュージョン(異なる素材やアイデアの融合)」というコンセプトへと昇華される。2004年にジャン-クロード・ビバー氏が招聘されると、「クラシック」の斬新な手法を発展させて、次々とヒットモデルを出したのである。
その当時の時計は素材の塊(インゴット)からくりぬき、できるだけ部品点数を減らして気密性や防水性能を高めるケース製造が主流であった。工作精度や素材開発が進んで緻密な時計製造を確立させた功績も大きい。長い目で見ると素材が異なるパーツでは劣化速度が異なったり、部分的な損傷があったりするものだが、ウブロの時計は一部だけ交換すれば済むのでより長く使用するにはとても合理的な手法でもあった。そしてなにより、パーツを細分化したことで、素材やカラーの組み合わせでデザインの幅が広がり、ウブロの人気を飛躍的に高めていったのである。
ウブロの「クラシック・フュージョン パールホワイト ダイヤモンド」は、チタンケースに、ホワイトラバーを裏地に使用したアリゲーターストラップ、マザー・オブ・パール文字盤、ダイヤモンドベゼルとすべてホワイトでまとめた日本限定モデル。文字盤にあしらわれたマザー・オブ・パールは、南洋パールを育てる白蝶貝の内側の部分を丸く切り取ったもの。
真珠層と呼ばれるパールと同じ成分の層で覆われているため、光の干渉によってやわらかな光を放つのが特徴だ。またゴールドなどの貴金属ではなくチタンケースにダイヤモンドをセッティングするのがウブロらしい。軽量素材のため、ベゼルに大振りのダイヤモンドを大胆に散りばめてもリゾートやスポーツシーンで映えそうだ。
ドレッシーな印象を与えるマザー・オブ・パールやダイヤモンドと、軽量で丈夫なチタンとのミックス&マッチは、まさしくウブロの「アート・オブ・フュージョン」を体現する。これから迎える年末のホリデーシーズンにはパーティーなどでのドレスアップシーンや、ゆったりと寛げるリゾートで過ごすこともあるだろう。そんな時、腕元を華やかに彩り、アクティブに使い込めるのが、この時計の大きな魅力なのである。


クラシック・フュージョン パールホワイト ダイヤモンド
白蝶貝の風合いを生かしたホワイトのマザー・オブ・パールを採用してしっとりとした艶やかな文字盤に。軽量で腐食耐性に優れるグレード5チタンを使用したケースには、サテンとポリッシュの仕上げを使い分けて立体感を出し、高級感のある質感に。ベゼルには36個のダイヤモンド(0.8カラット)をセッティングして、スポーティかつドレッシーに仕上げた。Tiケース×ダイヤモンド。クォーツ。ケース径33mm。5気圧防水。137万5000円。日本限定。㉄LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ ☎︎03-5635-7055
Photographs:Noboru Kurimura
2024年11月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

