PATEK PHILIPPE 女性たちに輝かしく寄り添う本格メカニカルウォッチ
パテック フィリップがレディスウォッチ「Twenty~4®」コレクションを発表したのは、20年前の1999年のこと。直線を生かしたレクタンギュラーのフォルムが印象的な「Twenty~4®」は、そのネーミングが示す通り、女性の24時間を生き生きと輝かせる洗練されたデザインと機能性で、人々の心をしっかりととらえた。
新たなセンセーションが巻き起こったのは、2018年の秋。レディスウォッチの名作ともいわれた「Twenty~4®」に、ラウンドモデルが加わったのだ。甘く優しげな表情を見せるラウンドの「Twenty~4 オートマチック」コレクションは、すべてに自動巻きムーブメントが搭載されていることも特徴。
レクタンギュラーの「Twenty~4®」は、ごく一部のハイジュエリーウォッチを除き、ムーブメントはクォーツ。だがこれからの時代、現代をアクティブに生きる女性たちが求めるものは、より本格指向のメカニカルウォッチであるはず──。そう考えての先駆的なチャレンジだったのだ。
メゾンのクリエイティブディレクターを努めるサンドリン・スターンは、こう語る。「パテック フィリップが時計を新たに生み出そうとするとき、まず外観を先に手がけ、後からムーブメントをどうしようかと考える、といったことはしません。いつも最初にムーブメントありきなのです」
かくして新しい「Twenty~4®」のために、優れた精度を誇るラウンド形のキャリバー324 S Cが選ばれ、それを包む形状として、ラウンドのケースがデザインされた。ケースバックからは、美しいキャリバーが鑑賞できるようにもなっている。
思えば、パテック フィリップが初めてミニット・リピーターを腕時計に搭載したのは、1916年。それはプラチナで繊細に仕立てられた、優雅な女性用の5分リピーターだった。男性用のリピーター付き腕時計が発表されたのは、その8年後。
複雑機構を組み込んだ腕時計を、まずレディたちのために生み出したという事実が面白い。今も昔もパテック フィリップが、女性の時間に寄り添い続けていることが、このことからもわかるというものだ。
Twenty~4 オートマチック 7300/1200
現代女性の豊かで変化に富む24時間に、いつも忠実に寄り添うパートナーとして誕生した「Twenty~4®」。トータル469個、約1.88カラットのダイヤモンドをあしらい、ベゼルは「ダンテール」と呼ばれるセッティングを駆使。ダイヤモンドを2列でオフセットして配置したこの留め方は、レースの縁取りを思わせる繊細な表情が魅力。落ちつきのあるブラウン・ソレイユ文字盤は、ローズゴールドに品よくマッチする。ケースバックからは入念な手仕上げをほどこしたキャリバーを見ることもできる。自動巻き。18KRGケース×ダイヤモンド。ケース径36mm。
アワーグラス銀座店 問03-5537-7888
Photographs:Hisashi Wadano
Text:Keiko Homma
Styling:Katsuya Kubokaw
2019年11月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)