Brand File BALL Vol.10

トレインマスタースタンダードタイム

ゴールドケース、ホワイトエナメルダイヤルを採用したシルエットは、黎明期の鉄道時計を想起させる。そのクラシックな風貌は“正確な時を告げる”時計を生み出した、同社の歴史と伝統を感じさせる。アラビア数字を用いたインデックスには、独自の発光機構“マイクロ・ガスライト”が搭載され、暗所での視認性を確保。自動巻き。18KRGケース。ケース径39.5㎝。

創業当初のボール ウォッチの広告には、鉄道時計の基準を満たすフレーズで信頼性をアピール。ムーブメントは他社から供給を受けていたものの、数々のバリエーションを展開。サイズや石の数、1週間で生じる誤差、ゼンマイの構造といった、鉄道時計の公式基準を厳格に定めた同社は、鉄道業務にかかわる人々から絶大な信頼を獲得していく。年2回の定期検査を実施するなど、その姿勢は徹底していた

当時のビジュアルには蒸気機関車に加えて、駅員や工員などを描くことで、鉄道時計のかかわりを深く浸透させていく。現在、鉄道時計でスタンダードとなる12時に用いたリューズの位置、アラビア数字のダイヤルも、同社が定めた公式基準のひとつだった

2015年9月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

関連記事一覧