CARTIER 最新クォーツを搭載した極薄エレガントウォッチ

19世紀末から第一次世界大戦が始まる1914年までをフランス語で「ベル・エポック」と呼ぶ。パリを中心に華やかな消費文化が花開いたこの時期に、発明家、飛行家として活躍したのが、母国ブラジルで今も「飛行機の父」と讃えられるアルベルト・サントス=デュモンだ。

コーヒー農園主の御曹司だった彼は、ブラジルから一族の母国フランスに渡り、飛行船や飛行機の開発に情熱を注いだ。まずは飛行船の開発で名を上げ、1901年には半硬式飛行船6号機で制限時間内にエッフェル塔を周回するコンペティションで優勝。

さらに1906年10月には自作の飛行機で高さ3m、距離60mを飛行。ヨーロッパ初の飛行機による飛行に成功するなどの偉業を成し遂げた。そんな彼が親交を結んだ人物のひとりが、カルティエをパリ、そして世界最高峰のジュエリー・ウォッチメゾンに育て上げたカルティエ3兄弟のひとり、ルイ・カルティエ。

彼は1904年に飛行中でも時間を知りたいというアルベルト・サントス=デュモンの希望に応えてレザーストラップを時計と組み合わせた『腕時計』をデザインする。サントス=デュモンは、この腕時計と共にヨーロッパの空に新時代を拓いたのである。

この腕時計はその後、1911年に「サントス」として市販化され、アップデート、進化を重ねながらいつの時代でも支持され、紳士が持つべきメンズウォッチの定番としてあり続けたのである。

そして今年、数々の伝説に彩られたこのメンズウォッチに、新たな伝説が加わった。それが1904年のオリジナルデザインを、さらに1911年に発売された「サントス」の名称を継承して現代の技術で作り上げた表紙の腕時計だ。

クラシックなローマ数字インデックス、ベゼルを飾るビス、パール状の飾りが付いたリューズ、ブルースティールの針とブルーのカボション。そして約6年間も正確に時を刻む新開発のクォーツムーブメントを搭載する。スーツ姿で都会を優雅に冒険する男性に、これほどぴったりな腕時計は他にない。

サントス デュモン ウォッチ LM

1904年にルイ・カルティエがアルベルト・サントス=デュモンのために作ったオリジナルモデルの基本スタイルを継承、現代的な洗練さを加えて誕生したドレスウォッチ。従来の2倍にあたる約6年間の寿命を実現した新開発クォーツを搭載したことが新作のハイライト。これによって実現した薄型ケースはサテン仕上げとポリッシュ仕上げを使い分け、薄型ケースをエレガントに仕上げた。ケースサイズは縦43.5×横31.4mmで、ケース厚はわずか7.3mm。着け心地は軽快で、ドレスシャツの袖口ともスムーズに馴染む。ダークグレーアリゲーターストラップ。18KPGケース。カルティエ カスタマー サービスセンター  問0120-301-757

Photographs:Hisashi Wadano
Text:Yasuhito Shibuya
Styling:Katsuya Kubokawa

2019年6月『HORLOGERIE』本誌より引用(転載)

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