PATEK PHILIPPE 1年に1度やってくる特別な日を楽しむ時計
スイスの名門ウォッチメゾン、パテック フィリップの時計は、10の価値を体現しているという。「独立」と「伝統」、そして「革新」。「品質と精緻な仕上がり」「稀少性」「付加価値」「美」。さらに「サービス」「思い入れ」「継承」──。
女性のためのコンプリケーション「年次カレンダー Ref.4948」は、これら10の価値を表した秀麗な時計だ。光り輝くダイヤモンドをふんだんにあしらったラグジュアリーなデザインで、文字盤にはカレンダーと、月の満ち欠けを表すムーンフェイズが付いている。
ケースの背面から見えるのは、磨き込まれ、精緻な仕上げをほどこされたムーブメント。この時計の自動巻きムーブメントは、ごく小さな328個もの部品で成り立っているのだ。
ファミリーによって独立した経営を続けるパテック フィリップは、1839年の創業。時計づくりの超絶技巧を継承しており、グランド・コンプリケーションの1つに数えられる永久カレンダーウォッチもお手の物。この「年次カレンダー Ref. 4948」は、伝統的な永久カレンダーを使いやすく現代的に進化させたモデルともいえる。
3時位置のサブダイヤルが示すのは、12の月。9時位置のサブダイヤルには曜日、6時位置の小窓には日付が表示される。月、曜日、日付をあらかじめ機構に組み込んでいるので、4・6・9・11月の最終日は30日から1日へと日付が自動的に切り替わる。
手作業でカレンダーの調整が必要となるのは、3月1日だけ。永久カレンダーと違って、2月が28日までであることや、閏年はプログラミングされていないからだ。だがこの作業は、この時計を所有する人にとっては、1年に1度やってくる大切なイベントだ。こうして手間をかけてあげることで、愛おしさが増してくるのだから。
10の価値を与えられた「年次カレンダー Ref. 4948」は、機能性の高さや職人技の見事さだけでなく、世代を越えて受け継がれてゆく美しさをも備えた名品。どんなシーンでも誇りを持って身に着けられる、まぶしいコンプリケーションなのだ。
年次カレンダーRef.4948
トータル347石、約2.65カラットの厳選されたダイヤモンドをベゼルやケース、ラグにセット。リューズにまでも14石、約0.06カラットのダイヤモンドが輝く。真珠を思わせる光沢を放つ文字盤は、マザーオブパール。サイズは男性用の年次カレンダーモデルよりもひと回り小ぶりで、優美なフェミニティを香り立たせているのがポイント。他人とかぶらない、上質な個性をもった高級時計を求めている女性におすすめしたい。自動巻き。ケース径38mm。18KWGケース×ダイヤモンド×マザーオブパール。アリゲーターストラップ。842万6000円。
Photographs:Hisashi Wadano
Text:Keiko Homma
2020年8月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)