Cover story パリジェンヌの腕に、キラリ

かつてガブリエルシャネルが、女性の社会進出運動におけるシンボリックな存在だったことを、知らない男性諸兄は少なくないかもしれない。彼女はコルセットで体を締めつけた歩きにくいロングドレスを否定し、やわらかなジャージー素材で動きやすいスーツを仕立てた。

2つの世界大戦があり、戦場に出た男性たちの代わりに、家庭に縛りつけられていた女性たちが社会に出始めた頃だ。手をふさがず、両手が自由に使えるショルダーバッグも作った。

それまでは皆、小さなバッグを手に抱えて歩いていたのだ。彼女は女性たちを自由に羽ばたかせる優れた想像力を持っていた。1987年、シャネルが初めて発表した時計の名は「プルミエール」。

ガブリエル シャネルが晩年を過ごしたオテル・リッツがある、ヴァンドーム広場を上から見た形のケースは、同時に香水「Nº5」のボトルストッパーの形を模していた。チェーン部分は、あのショルダーバッグのチェーンと同じ。シャネル初の時計にふさわしいデザインだ。

そしてこのアイコニックな時計がモダンにアレンジされ、細かな改良を加えて仕上がったのが、2013年版の新作「プルミエール」。ボールドなチェーンがスタイリッシュに腕にそい、身体の動きにつれてしなやかに動く。毎日いつでもつけられる時計。

昼から夜まで使える時計。アクティブに過ごす現代女性のライフスタイルにマッチした新作『プルミエール』は、シャネルのDNAがしっかり生きている。

Chanel

プルミエール

2013年のバーゼルワールドに先駆けて発表された新作。クォーツ。18KYGケースとブレスレット。ケースサイズ28×20mm。ブラックラッカー文字盤。オジーヴカットのオニキスのリュウズ。3気圧防水。問/シャネル(時計)問0120-159-559

Photo by Junai Nakagawa
Sentence by Keiko Homma

2013年9月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。