麗しの京都時計八景

令和の夏がやってくる。 楽園リゾートもいいが、令和元年は日本の歴史が詰まった古都京都で、 悠久の時を感じてみるのはどうだろう。 それに京都には川床や浴衣や氷菓子といった、夏の楽しみもある。 となると、京都旅の相棒となる時計には何がふさわしいか。 着物に合う奥ゆかしいクラシック時計はもちろんだが、 常に新しさを取り入れてきた京都のようなモダンで、かぶいた時計も街にフィットするだろう。 今回は京都駅前にオープンしたばかりの「THE THOUSAND KYOTO」を舞台に、 京都の風景で切りとった最旬ウォッチをお届けする。

PATEK PHILIPPE

カラトラバ・パイロット・トラベルタイム Ref.5524

力強いアラビア数字や時分針を備えたパイロットスタイルのトラベルウォッチは最強の旅の友だ。8時、10時位置のプッシュボタンで前後に時針を動かしてホームタイムの時刻を調整できるトラベルタイム機能が付き、そのボタンが誤作動しないようにリューズにはロック機能も備える。HOMEとLOCALの小窓はデイ&ナイト表示で、昼間は白、夜は黒となる便利な機能だ。自動巻き。18KWGケース。ケース径42㎜。アワーグラス銀座店 問03-5537-7888

天井桟敷のような階段が広がるエントランスロビー。この開放感から京都ステイが始まる。@LOBBY

AUDEMARS PIGUET

ロイヤル オーク オートマティック (左)

八角ベゼルが象徴的な「ロイヤル オーク」が2019年にアップデート。新たに開発された自社製ムーブメントCal.4302 を搭載したことで、約70時間のパワーリザーブへ実用性をアップ。ケースの厚みはやや増したが、文字盤においては3時位置の日付表示をケースの右端に、ミニッツトラックをタペストリーパターンの外周に置くデザインの変更にすることで視認性を高めた。自動巻き。18KPGケース。ケース径41mm。オーデマ ピゲ ジャパン 問03-6830-0000

VACHERON CONSTANTIN

フィフティーシックス・コンプリートカレンダー (右)

このフィフティシックスは1956年製のモデルのデザインコードを踏襲したモダンウォッチシリーズ。今年はぺトロールブルーと名付けられたネイビーの新色ダイヤルを追加し、レザーストラップまで同色に統一させて上品に仕上げた。日付、曜日、月のカレンダー機能に加え、122年に1日分の誤差しかない高精度のムーンフェイズまで備えるプチコンプリモデルだ。自動巻き。SSケース。ケース径40mm。ヴァシュロン・コンスタンタン 問0120-63-1755

広々とした湯舟から見る自分だけの京都の借景で旅の高揚感あ高まる。@Guest Room

OMEGA

スピードマスター ムーンフェイズ ブルー サイド オブ ザ ムーン マスター クロノメーター (上)

ケースはもちろん文字盤やリューズ、プッシュボタンまでブルーセラミック製にしたスピードマスター。ブルーの色味を均一にするのは難しく、高度な技術が必要だ。ケースはサテン仕上げとポリッシュ仕上げを絶妙に使い分け、セラミックの独特な艶感を引き出した。プラチナリキッドメタル製でクレーターまでリアルに再現したムーンディスクがオメガならではのこだわりだ。自動巻き。セラミックケース。ケース径44.25㎜。オメガお客様センター 問03-5952-4400

MONTBLANC

モンブラン 1858 オートマティック クロノグラフ リミテッドエディション 1858 (下)

かつてミネルバが探検家のために製作した時計をオマージュし、ブロンズケースにカーキグリーンのダイヤルとNATOストラップを組み合わせたクロノグラフ。ブロンズは近年の人気のケース素材となっており、使い込むほど緑青による経年変化を起こすため、カーキグリーンのダイヤルやストラップともますます相性が良くなり、愛着も増すはずだ。世界限定1858本。自動巻き。ブロンズケース。ケース径42㎜。モンブラン コンタクトセンター 問0120-39-4810

夏の京都散策には浴衣がよく似合う。街に溶け込むことが旅の醍醐味だ。

JUNGHANS

マイスター メガ スモールセコンド (上)

最新の電波式ムーブメントJ101.66を搭載し、針位置を毎日1440回も自動調整してくれる電波時計。6時位置のスモールセコンドでは、電波受信地が3大陸5カ所の地域が記され、前日の受信した地域も確認できるようになっている。スリープモードも設定できるので、電池の消費量も抑えることが可能となった便利な時計だ。電波クォーツ。SSケース。ケース径38.4㎜。ユーロパッション 問03-5295-0411

U-BOAT

クラシコ ソメルソ (下)

9時位置の大胆なデザインのリューズロックを備える個性的なダイバーズウォッチ。このクラウンはねじ込み式になっており、その下にリューズが現れる仕組みだ。4時位置にはデイ&ナイトがわかる小窓とともに第2時間帯表示を備え、タフな旅の相棒にぴったりな1本。時分針やインデックスにはベージュカラーの夜光塗料を塗布し、暗闇でも視認性を確保した実用的な時計だ。自動巻き。SSケース。ケース径46㎜。ユーロパッション 問03-5295-0411

京都散策後に抹茶で一息。茶の湯の文化が根付く街では、伝統技術の詰まった時計と合う。@TEA&BAR

PANERAI

パネライ サブマーシブル カーボテック™ – 47mm (左)

サブマーシブルがコレクションとして今年から独立。こちらはプロフェッショナルダイバーズとして実用性を高めるため、独特な模様を持つハイテク素材のカーボテック™をケースに採用。この素材はカーボンファイバーをベースとした複合素材で、軽量かつ耐衝撃性に優れ、アレルギーを起こしにくいのが特徴だ。72時間パワーリザーブの自社製Cal.9010を搭載。300m防水。自動巻き。カーボテック™ケース。ケース径47㎜。オフィチーネ パネライ 問0120-18-7110

HUBLOT

ビッグ・バン ウニコ GMT チタニウム ブルーセラミック (右)

旅慣れた人にはお馴染みの現在地とホームタウンの時刻を同時に示すGMTウォッチ。2時と4時位置のプッシュボタンは、まるでクロノグラフのようだが、ホームタウンの時刻を示すアロー型の針を操作するためもの。ダイヤル中央には昼夜を一目で判別できるディスクを備え、アロー型のGMT針と連動する。今年はベゼルに鮮やかなブルーセラミックを採用し、ブルーストラップとともに爽やかな一本に仕上げた。自動巻き。Tiケース。径45㎜。ウブロ 問03-5635-7055

客室専用の庭園に癒されながら、旅の計画を思い巡らす。せっかくの京都だから、目的別に時も付け替えたい。@Guest Room

IWC

パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・スピットファイア (左)

パイロット・ウォッチで有名なIWCは今年、英国製戦闘機であるスピットファイアからインスパイアされたパイロット・ウォッチシリーズがリニューアル。この新作からケースをサイズダウンし、自社製のクロノグラフムーブメントを搭載。たっぷりと夜光塗料が施された12時位置の三角形マークやカーキグリーンの布製ストラップなど、雰囲気のあるミリタリーテイストに仕上げた。自動巻き。SSケース。ケース径41mm。72万9000円。IWC☎0120-05-1868

JAEGER-LECOULTRE

マスター・ウルトラスリム・デイト (右)

現行モデルはケース径40mmサイズであったが、今年は39mmサイズとし、厚みも7.8mmのスレンダーケースに仕上げた。機能は時・分・秒の針と日付のみでいたってシンプルなデザイン。日付の小窓は6時位置に置くことで左右対称の美しいバランスとなっている。このスリムでシンプルなスタイルは着物や浴衣とも相性がよく、奥ゆかしい京都の街にもフィットしそうだ。自動巻き。18KPGケース。ケース径39mm。ジャガー・ルクルト 問0120-79-1833

木濡れ日があふれるチャペルを抜けて、涼を感じられる竹林の庭園へ。その葉擦れで京都を感じる。@OKUNIWA GARDEN

CUERVO Y SOBRINOS

ヒストリアドール ヴェロ GMT (左)

1940年代の時計にインスパイアされ、アイボリーカラーダイヤルの独特なヴィンテージ感を漂わすヒストリアドール。個性的なネジ留めのラグにレッドの巨大な矢印を持つ秒針がひと際目を引くデザインで、個性を発揮。内周には第2時間帯を示す24時間表示と日付表示、外周にミニッツトラックを配し、経過が早い時間の単位ほど外側にレイアウトされたデザインは視認性も高く、便利だ。自動巻き。SSケース。ケース径44㎜。ムラキ 問03-3273-0321

BELL & ROSS

BR 03-94 R.S.19 (右)

ルノーF1チームのルノー・スポール(R.S.)とパートナーシップを結んでいるベル&ロス。イエロー、レッド、グリーン、オレンジ、ブラックをディテールの随所に取り入れてメリハリのあるデザインに仕上げた。ダイヤルはF1マシンではお馴染みのカーボンを採用し、レーシーなスタイルを意識する。ケースバックにはリミテッドナンバーとRENAULT SPORTの刻印が刻まれる。世界限定999本。自動巻き。SSケース。ケースサイズ42㎜。ベル&ロス ジャパン 問03-5977-7759

何気ない器ですら京都の趣を感じさせる日本料理レストラン。炭火が香るその朝食から京都の1日が始まる。@KIZAHASHI

TAG HEUER

オータヴィア アイソグラフ (左)

オータヴィア人気を受けて、モダンにブラッシュアップさせた新作。太めの短針でヴィンテージ感を演出しながら、ブルーのセラミック製ベゼルやブランド初となるブルーグラデーションダイヤルを採用して、トレンドを上手にキャッチアップ。ムーブメントにはCOSC認定で信頼性の高いキャリバー5を搭載している。オンオフどちらとも使いやすい1本だ。自動巻き。SSケース。ケース径42㎜。LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー 問03-5635-7054

ZENITH

デファイ エル・プリメロ21 (右)

センタークロノグラフ秒針が1秒間に1回転し、1/100秒単位まで計測できる同モデル初の日本限定が登場。日本の国旗をイメージして、ダイヤルやストラップなどホワイトカラーを基調としながら、パワーリザーブ表示やクロノグラフの積算針にはレッドを利かせて日本を表現した。時刻表示用とクロノグラフ用に2つの調速機と各輪列&香箱を備えるエル・プリメロの上級モデルだ。自動巻き。Tiケース。ケース径44㎜。ゼニス 問03-3575-5861

Photographs:Takeshi Hoshi
Special thanks:THE THOUSAND KYOTO

2019年6月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

 

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