Cover Story 香り高いエレガンスには秘密がある
ラグジュアリーな時計の文字盤によく使われる、マザー・オブ・パール。そのまま直訳すると、真珠の母?これは一体、どういう素材なのだろう。
マザー・オブ・パールとは、真珠母貝のこと。南洋真珠の養殖に使われ、南方の温かい海に生息する、白蝶貝(プンクターダ・マクシマ)という天然素材である。貝の中央部分は殻に厚みがあり、内側にはやわらかな虹色の光沢が見られる。
高価な南洋真珠の母貝であるだけに、白い輝きは独特のニュアンスが美しく、ラグジュアリーウォッチの定番素材として親しまれている。老舗ジュエラーであり、かつウォッチブランドでもあるブルガリの時計には、真珠を思わせる光沢が見事な、質の高いマザー・オブ・パールがあしらわれているのをご覧いただきたい。
厚みのある貴重な貝をていねいにカットして作られた文字盤は、ダイヤモンドやゴールドとの相性が抜群で、表情が優しく上品だ。ブルガリのロングセラーウォッチ「ブルガリ・ブルガリ」のこのレディスコレクションは、気品あふれるマザー・オブ・パールの光沢と、厳選されたダイヤモンドやピンクゴールドのあでやかさが対比して、極上のエレガントな時計に仕上がっている。
ロングセラーの名品には、長く愛されるだけの理由が必ず隠されているもの。今回はマザー・オブ・パールについて述べたが、1977年の登場以来、およそ40年近くにわたってブルガリのアイコン的存在であり続けたウォッチ「ブルガリ・ブルガリ」には、まだまだ語り尽くせない、ディテールへの果てなきこだわりが凝縮されている。
BVLGARI
ブルガリ・ブルガリ
ベゼルに36石のダイヤモンドをあしらい、涼しげな白いストラップを合わせたフェミニンなモデル。リュウズにはカボションカットのルベライトをセットした、ジュエリーライクなデザインだ。自動巻き。ケース径33mm。PG。ダイヤモンド。マザー・オブ・パールダイヤル。問/ブルガリ ジャパン 問03-6362-0100
Photo by Hisashi Wadano
Sentence by Keiko Homma
2014年3月『HORLOGERIE』本誌より引用(転載)