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PATEK PHILIPPE コンプリケーションをスマートに! 優雅な極薄の雅、永久カレンダー

閏年まで自動的に判別し、時計が動き続けている限り、100年間は修正が不要な永久カレンダーに改めて注目が集まっている。去る1月にジュネーブで開催されたS.I.H.H.でも、各ブランドから新しい永久カレンダーモデルが続々と登場した。

従来では考えられない手頃な価格を実現したもの、驚異的なロングリザーブのもの、手作業で贅沢な装飾を施した文字盤のものなどなど。だが「現在発売されている永久カレンダーモデルの中で最もエレガントなものは何か」というアンケートをコアな時計愛好家に行ったら、そのほとんどが今回の表紙のモデル、パテック フィリップの「Ref.5940」を迷わず挙げるに違いない。

2012年に18KYGケース、18KWGケースで発表され、2017年に18KRGケース仕様で登場したのがRef.5940。このモデルの魅力はコンプリケーションながら腕元をスマートに見せ、優雅に馴染む「ケース厚8.48mm」という薄さにある。

そしてもうひとつの魅力が、パテック フィリップの中でも希少なクッション型ケースの優雅なデザインだ。まずは薄さの魅力にフォーカスしよう。搭載される永久カレンダー機構付きムーブメント「キャリバー240 Q」の厚さはわずか3.88mm。

そしてベースムーブメントはこのモデルの発表年にその誕生40周年を祝ったマイクロローター採用の自動巻きムーブメントの傑作「キャリバー240」。

もちろん、ムーブメントもケース厚もさらに薄いモデルは他社にある。だが歴史や信頼性という点でこのムーブメントは傑出しているのである。そしてデザインの優雅さでもこのモデルは傑出している。

文字盤やクッション型ケースは1910年代から1930年代にかけて流行したクラシックでエレガントなスタイル。

それをブレゲ数字によるゴールドの植字インデックスとリーフ型の時分針、3つのインダイヤルで構成する文字盤の幾何学的なバランス、ディテールの美しさも非の打ち所がない。これぞ長く愛用できる傑作時計だ。

永久カレンダーRef.5940

パテック フィリップの永久カレンダーモデルの中でも希少なクッション型ケース。1985年の発表以来の3インダイヤルスタイルを採用。ムーブメントには自社製のキャリバー240 Qを搭載。ベースムーブメント・キャリバー240との厚さの差はわずか1.35mm。つまりこのスペースの中に、優れた信頼性と耐久性を持つ永久カレンダー機構が凝縮されていることを考えると、改めてパテック フィリップの機械式技術の素晴らしさが理解できるはず。サファイヤクリスタルバック(18KRG製ケースバック付属)。アリゲーターストラップ。3気圧防水。自動巻き。18KRGケース、ケース径37×44.6㎜。アワーグラス銀座店 問03-5537-7888

hotographs:Hisashi Wadano
Styling:Katsuya Kubokawa
Text:Yasuhito Shibuya

2019年3月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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