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PATEK PHILIPPE 時を刻むハイジュエリーが、手元に甘い輝きを添える

エナメルや彫金、象嵌細工など、ハンドクラフトの粋を極めたパテック フィリップが、ハイジュエリーウォッチを手がけるとこうなる。ピンクのマザー・オブ・パールに羽の浮き彫りをほどこし、ピンクサファイアとダイヤモンドのパヴェで華やかに仕上げた本格自動巻きウォッチだ。

マザー・オブ・パールとは、南洋真珠を育む母貝のこと。その光沢の最も美しい部分を切り取り、ふわりと風に舞うフェザーパターンを手作業で彫っている。よく見るとホワイトゴールドの時分針にも、細やかなハンドエングレービング。ケースの外周とリューズ、文字盤の一部にはダイヤモンドとピンクサファイアがあしらわれているのだが、よく見るとピンク色には濃淡があって、あえて均一な色に揃えていない。

ピンクのグラデーションを全体にちりばめることで、フェザーの浮き彫りに似合う優しいニュアンスを巧みに演出しているのだ。さらに文字盤とベゼルにダイヤモンドとピンクサファイアを留めた、スノーセッティングという技法にも注目したい。

これは宝石をびっしりと隙間なく敷きつめる技法。直径2㎜に満たない極小サイズの宝石を使うこともあり、その難易度は極めて高い。パテック フィリップはダイヤモンドにもこだわりがあって、グレードは常にピュア・トップウェッセルトン。透明度が高く、輝きの白く美しいものを厳選しているという。

そうした極上のダイヤモンドを348石、ピンクサファイアを354石、総計702石をケースや文字盤、リューズ、バックルにセットしているというのだから、おそろしく労力と時間のかかった時計なのだ。

それなのにこの「カラトラバ・ハイジュエリー」の印象は、過剰さや重々しさがなく、あくまでもフェミニン。イブニングドレスはもちろん、デイタイムの装いにも合わせられる軽やかな魅力がある。

この時計1本で昼から夜まで過ごせるという、上質なエレガンス。宝石箱にしまいっぱなしにするのではなく、楽しんで愛用できる新感覚のハイジュエリーウォッチを、パテック フィリップは「カラトラバ・ハイジュエリー」で実現してみせたのだ。

カラトラバ・ハイジュエリー

レア・ハンドクラフト 4899/901

ピンクやローズで全体をまとめたデザインで、ハンドクラフトの技巧をさまざまに注ぎ込んだ贅沢な仕立て。ダイヤモンドとピンクサファイアの総計はおよそ4.35カラット。超薄型で精度の高い名作自動巻きムーブメント、キャリバー240を搭載し、シースルーになったケース背面から22Kゴールドのマイクロローターとオフセットした輪列を見ることができる。自動巻き。ケース径35.8mm。18KWGケース×ダイヤモンド×ピンクサファイア×マザー・オブ・パール。1112万円(税別)。アワーグラス銀座店 問03-5537-7888

Photographs:Hisashi Wadano 
Styling:Katsuya Kubokawa 
Text:Keiko Homma

2019年9月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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