これからは「B5」の時代だと 環境対策に熱心なボルボは言う

全長4690ミリ、全幅1900ミリ、全高1660ミリ

ボルボはいま脱・内燃機関に向けて大きく舵を切っている。その証明のひとつが、さきごろ日本市場での発売を開始した「XC60 B5」だ。マイルドハイブリッドシステム搭載で、市街地での燃費はなんとディーゼルを超える。

新型コロナウイルスによるCOVID-19でやや足踏みがあったものの、欧州では環境対策に熱心だ。CO2削減のため、自動車の内燃機関への見直しが強く求められているなか、ボルボは注目のシステムを発売したのである。

ボルボが、SUVであるXC60(と同時にXC90)に追加した「B5」は、スタータージェネレーターとも呼ばれるシステム搭載のパワープラントをさす。小型電気モーターとやはり小さめのバッテリーを搭載して、エンジンをサポートするシステムだ。

メリットは、発進直後のごく低回転域など、エンジンのトルクが十分に立ち上がっていない領域を、モーターがエンジンの出力軸を回すことで、駆動力をカバーするところ。そこで力不足感を解消する。

もっとパワーが欲しいと思わなければアクセルペダルを踏む必要もなく、結果、燃費がよくなる。実際、ボルボカーズジャパンのデータによると、市街地での燃費はディーゼル(ボルボだと
「D4」というエンジン)がリッター11.2キロのところ、ガソリンエンジンと組み合わされたB5では11.3キロと上回るのだ。

運転すると、たしかに発進時から高速まで、一貫してパワフルな印象だ。エンジンは184kWの最高出力を5400rpmから、350Nmの最大トルクを1800rpmでから発生する2リッターガソリンで、それじたい、パワー不足感はないのだが、B5はさらに途切れなくパワーが湧き出てくる印象である。

あるていど速度が上がると、モーターからエンジンにバトンタッチ。あとはレッドゾーン手前まで、エンジンを回して思う存分走れる。高速巡航ではエンジンの気筒休止システムが働き燃費をカット。そこから急加速を、というときは、モーターが動く。

乗り心地もよく、同時にハンドリングにもすぐれている。カーブでの車体の動きのコントロールもよく、全長4690ミリ、全高1660ミリ、車重1.9トンのクルマとは思えないほど、軽快な走りが出来るのだ。

ボルボでは、すべてのラインナップを電動化するとしており、これまでにプラグインハイブリッドやピュアEVを設定してきた。並行してB5をはじめスタータージェネレーターを使ったBシリーズも展開していく。

XC60シリーズでいうと価格的にもメリットがある。ディーゼルの「D4モメンタム」が659万円であるところ、同じ装備レベルの「B5モメンタム」は634万円、「B5インスクリプション」は、25万円低い734万円である。

AWDシステムは低負荷時は前輪駆動となり燃費を節約する

ホイールベースは2865ミリもあり室内も広い

パーフォレーテッド(孔開き)ナッパレザーシートは「インスクリプション」モデルに標準装備

小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト
慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。読者の方がたの興味に合致しそうな”いいクルマ”の世界を紹介していきたい。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。