CARTIER 美しさと機能を兼ね備えたスケルトンウォッチ


カルティエの 「サントス ドウカルティエ」は、「飛行中に時刻を確認したい」という発明家で飛行家の友人アルベルト・サントス=デュモンの希望に応えて、1904年にルイ・カルティエが開発・提供した「世界初のメンズリストウォッチ」とも言われる腕時計である。

サントスはその3年前の1901年10月に半硬式飛行船Nr.6で制限時間以内にエッフェル塔を周回する飛行に成功。さらに1906年、自身が開発した「14-bis」号でヨーロッパ初の動力飛行にも成功した。

表紙の時計はその伝説とスタイルを継承、発展させて生まれたスケルトンウォッチ。ムーブメントはカルティエの自社開発製造の 「キャリバー9611 MC」で、時を刻むメカニズムを支える地板自体がローマ数字のカタチにくり抜かれており、アワーインデックスの役割を果たすという美しく巧みな設計になっている。

イエローゴールドのベゼルで装飾されたケースの中のメカニズムは、 「時の彫刻」 と呼びたい幾何学的な美しさを放つ。パワーリザーブ(ぜんまいの持続時間)も約72時間と長く、またカルティエ独自の 「クイックスイッチ」システムの搭載で、ブレスレットと標準で付属するアリゲーターストラップとの交換もワンタッチで簡単に自分の手で行えるので、シーンや服装に合わせて幅広く着けることができる。カルティエらしい、優れた機能と美しさが融合した唯一無二のドレスウォッチだ。

サントスドゥカルティエ

手巻き。IBKYGベゼル。SS ケ ース&プレスレット(交換用アリゲー ターストラップ付属)。ケースサイズ47.5×39.8mm。376万2000円。カルティエカスタマーサーピスセンター 問120-301-151

Photographs :Hisashi Wadano
Wadano Text:Yasuhito Shibuya

2021年3月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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