RIDING ON THE BIZJET

企業活動のグローバル化を背景に、ビジネスツールとして国際間を移動するビジネスジェットは、「時は金なり」の精神を体現する存在だ。そのプライバシーや利便性が富裕層に受け入れられてきたわけだが、昨年3月には成田国際空港にビジネスジェット専用ターミナルも完成し、
今後の需要の高まりが期待される。翻って、機械式時計はどうだろうか。人類の英知を小さなケースに詰め込み、芸術的な装飾を施す。“時”を具現化するアイテムとして、敬意がそこには表れている。時計もビジネスジェットも、“時”の持つ豊かさを実感できるツールなのである。

9人乗り、ビズジェット。これでシンガポールくらいまでノンストップで行けてしまう。商圏はアジア全域。あとは信頼できる時計を持てば、準備万全。

PATEK PHILIPPE

パテック フィリップ Ref.5130(左)

10時位置のプッシュボタンで、24のタイムゾーンの都市名が表示されたリングなどすべての表示が操作できるワールドタイム機構に、イエローゴールド・ケースモデルが登場。時差の変更により、ドバイがモスクワへ、モスクワがリアドへ、カラカスがラパスへと変更された。「Ref.5130」。自動巻き。18KRGケース。ケース径39.5mm。/パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター 問03-3255-8109

JAEGER LECOULTRE

グランド・レベルソ・カレンダー(右)

12時位置の2つの小窓には、収納されたディスク上に曜日と月を表示するほか、6時位置には日付表示とムーンフェイズ表示を配する。ダイヤル中央のギョーシェ装飾がエグゼクティブにふさわしいクラシックテイストを漂わす。ケースバックからは美しく仕上げ装飾が施された手巻きキャリバーがのぞける。手巻き。18KPGケース。ケースサイズ48.5mm×29.5mm。/ジャガー・ルクルト 問03-3288-6370

簡単操作のデュアルタイムでスマートにビズジェットに乗りこむ

A.LANGE&SÖHNE

サクソニア・デュアルタイム

搭乗手続きなど待ち時間の煩わしさは必要ないビズジェットだが、シャンパンを飲みながらデュアルタイムの第二時間帯をゆっくりセットする余裕は持ちたい。第二時間帯は8時位置、10時位置のプッシャーを使って動くゴールドの針で設定。下に隠れていたブルースチールの針はホームタイムを表示し続ける。12時位置のインダイヤルは24時間表示で、自国の昼夜が判別できる。自動巻き。18KPGケース。ケース径40mm。/A.ランゲ&ゾーネ 問03-3288-6639

搭乗前のひとときに、時計でオンオフを切り替える

ZENITH

パイロット ダブルマティック(左)

パイロット用としてクロノグラフはもちろんワールドタイムも備え、アラーム機能とビッグデイト表示まで備える多機能モデル。7時位置のインジケーターでアラームのオンオフが確認できる。自動巻き。SSケース。ケース径45mm。/LVMH ウォッチ・ジュエリージャパン ゼニス 問03-5524-6420

EDOX

クラスワン クロノオフショア オートマテック(右)

高い防水性、耐衝撃性を備えたコレクションからブルーのクロコストラップモデルが登場。スポーティな顔立ちにエレガントなクロコを加えるだけで、タフなビジネスシーンに洗練さを与える。自動巻き。SSケース。ケース径45mm。/GWインターナショナル 問03-5828-9080

空の上のプライベート空間で、移動時間も有意義に過ごす

IWC

ポルトギーゼ・クロノグラフ・クラシック

ビジネスジェットでの機内は、完全なプライベート空間でミーティングルームに早変わり。緊密な距離感では、時計は存在を主張する重要なアイテム。その点、IWCはレイルウェイ目盛り、スレンダーなリーフ針などクラシックな顔立ちが悪目立ちせず、エレガンスをアピール。サントーニ社製のストラップもポイント。自動巻き。18KRGケース。ケース径42mm。/IWC 問03-3288-6359

機能美が宿るパイロットウォッチならではの親和性

BREITLING

クロノマット44 ブラック ローマンインデックス

飛行機も自動操縦の時代になったとはいえ、パイロットから高く支持されるブライトリング。今年で30周年を迎える看板モデルで、中でもこの黒のローマンダイヤルは人気だが生産終了する。現状に甘んじない崇高な姿勢があるからこそ、たゆまぬ進化をし続けられるのである。自動巻き。SSケース。ケース径44mm。/ブライトリング・ジャパン 問03-3436-0011

大人の遊び心でビジネスにも艶っ気を出す

FRANCK MULLER

トノウ カーベックス ヴィンテージ(左)

しっとりとした温もりのあるエナメル仕上げのダイヤルがエレガント。ブレゲ数字もクラシックな表情を引き立てており、まるでアンティークウォッチのような雰囲気が漂う。自動巻き。18KPGケース。ケースサイズ48.5×35mm。/フランク ミュラー 問03-3549-1949

FRANCK MULLER

トノウ カーベックス マスターバンカー ルナ(右)

リューズ1本で3つの時間帯の時刻合わせができるトリプルタイムゾーンを備えたモデル。さらに各時間帯の昼夜が瞬時にわかる小窓も備える。まさにジェットセッターのための時計だ。自動巻き。18KPGケース。ケースサイズ48.5×35mm。/フランクミュラー 問03-3549-1949

オフタイムにはカジュアルな時計で気分転換

Bell & Ross

ヴィンテージBR126 スポーツ ヘリテージ (左)

時計は付け替えるだけで気分も変わるスイッチアイテム。60年代に着想を得ているスポーツウォッチは、クラシックなディテールが詰まったベル&ロスらしい1本。サンドベージュのインデックスに、ヴィンテージテイストの漂うベゼルや文字盤は雰囲気も格別。自動巻き。SSケース。ケース径41mm。/オールブルー 問03-5977-7759

ORIS

ジョン・コルトレーン リミテッド エディション(右)

“ジャズ界の巨人”と称されるサキソフォンプレイヤーのジョン・コルトレーンのトリビュートモデル。彼の作品『ブルー・トレイン』からのインスピレーションでレイルトラックに鮮烈なブルーカラーを施した。ドーム風防もクラシックテイストを漂わす。「ジョン・コルトレーン リミテッド エディション」。自動巻き。SSケース。ケース径38mm。/ユーロパッション 問03-5295-0411

Photo by Hisashi Wadano
Styling by Seichi Ito

2014年3月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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