“ 迫田孝也” TAKAYA SAKODA

『鎌倉殿の13人』など三谷幸喜作品の常連で、いまやドラマや舞台に欠かせない俳優・迫田孝也さん。「渾身の一本に出会いたい」という迫田さんが時計に感じる魅力は何か、お話を伺いました。

“時計に人生を乗せ未来の自分を想像する”

時計はその人の人生を乗せていくもの――。俳優をしているとそう感じることがあります。例えば、作品の衣装合わせをする時、自分の演じる役がビジネスマンなのか教師なのかで着ける時計が変わってくる。その人物の職業や生活環境に、これまで歩んできた人生を重ねて役への理解を深めたうえで、種類からデザイン、年季の入り方まで考えて話し合いながら時計を選びます。

もちろん、腕時計の本質は正しい時刻を表示することだと思います。でも、ステイタス・シンボルだったり、自己表現するものでもある。そのうえ、人生のバトンのように世代を超えて受け継がれていくことを考えると、深いロマンを感じますね。

今回は俳優としてではなく、迫田孝也という一人の人間として時計を着けましたが、自分はどんなシーンで、どのような思いでこの時計を選ぶだろうかと客観的に想像すると楽しかったです。パネライの「ラジオミール クアランタ」はもともと海軍のためにつくられた時計というだけあって、無駄のない洗練されたデザインに男らしさを感じます。視認性も高くて日常的に着けたい時計です。


PANERAI
伝説的なモデルへのオマージュを刻む
ラジオミール クアランタ

イタリア海軍特殊潜水部隊のためにつくられたメゾン初の時計を現代的に解釈。ケースの厚さは10.15mmとパネライのウォッチ史上最も薄く、着け心地も軽やか。自動巻き。SSケース。アリゲーターストラップ。ケース径40mm。80万4100円。㉄オフィチーネ パネライ Tel.0120-18-7110

ジャケット52万8000円、セーター7万2930円、デニム5万2800円、チーフ2万5300円/すべてリヴェラーノ&リヴェラーノ(リヴェラーノ&リヴェラーノ大阪 Tel.06-6222-3000)

直線状の精緻なムーブメントに魅入ったのがコルムの「ゴールデンブリッジ 43」。卓越した職人技が味わい深い、男の色気を演出してくれる時計ですね。


CORUM
匠の技が宿る芸術的な構造美
ゴールデンブリッジ 43

輪列を一直線に配した比類なき独創的なムーブメントが美しい。両サイドに施された三角形で構成される骨組みはトラス橋がモチーフ。真下にあるリュウズも特徴的だ。手巻き。18KRGケース。アリゲーターストラップ。ケース径43mm。803万円。㉄ジーエムインターナショナル Tel.03-5828-9080

ジャケット52万9100円、シャツ6万6000円、タイ2万9700円、パンツ8万2500円/すべてリヴェラーノ&リヴェラーノ(リヴェラーノ&リヴェラーノ大阪 Tel.06-6222-3000)

一方、これからの季節にぴったりなのがブライトリングの「スーパー オーシャン オートマチック 44]。爽快なブルーを装いを引き立て、モチベーションを高めてくれる。

役づくりにおいて特に心に残る作品はドラマ『天国と地獄 〜サイコな2人〜』(2021年)です。刑事と殺人鬼の魂が入れ替わることで運命が交錯していくストーリーで、僕の役は物語の重要なカギを握る存在でした。ところが、なかなか役が掴めなかった。

彼の人生や境遇を考えに考えてもわからない。そして撮影直前、追い詰められてもうやるしかないと開き直った時、自分の中にある芯のようなものに気づき、ふっと肩の力が抜けたんです。演じる人物のイメージをどんどん膨らませ、最後にいらないものをそぎ落としたことで本質が見えた。役との向き合い方が変わった瞬間でした。

今年から来年にかけて、久々に舞台に出演します。壮大なエンターテイメントである『ハリー・ポッターと呪いの子』と、三谷幸喜さんの新作『オデッサ』です。2つの作品の役を追求し、その世界を生きた先に、僕自身がどう変化しているのか楽しみです。そんな僕の俳優人生を乗せ、本質を映してくれる時計にいつか出会えたら嬉しいです。


BREITLING
夏の海に映えるダイバーズウォッチ
スーパーオーシャン オートマチック 44

ターコイズブルーの文字盤が爽やか。300m防水で砂や塩水への耐性を持つ。蓄光塗料を塗布した太いインデックスや四角い針などを配して視認性も最大限に高めたダイバーズウォッチ。自動巻き。SSケース&ブレスレット。ケース径44mm。62万1500円。㉄ブライトリング・ジャパン Tel.0120-105-707

スーツ57万2000円、シャツ6万6000円、タイ2万9700円/すべてリヴェラーノ&リヴェラーノ(リヴェラーノ&リヴェラーノ大阪 Tel.06-6222-3000)

Profile
広島大学卒業後、俳優を志し上京。映画『ザ・マジックアワー』『記憶にございません』、ドラマ『天国と地獄〜サイコな2人〜』『鎌倉殿の13人』など数々の話題作に出演。現在ロングラン上演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』、2024年1月より上演される三谷幸喜作・演出の舞台『オデッサ』への出演を控える。

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