【PATEK PHILIPPE】南国リゾートに似合う、アズールブルーのレディス・ノーチラス

今春、スイス・ジュネーブにて開催されたウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2025で、パテック フィリップは15型におよぶ多彩な新作モデルを発表した。昨秋登場したばかりの「CUBITUS」に新サイズが登場したほか、永久カレンダーとウィークリーカレンダーを搭載した、手巻きデスククロックに注目が集まった。このデスククロックは、パテック フィリップの複雑時計を競うように注文していたジェームズ・ウォード・パッカードとヘンリー・グレーブス・ジュニアに向けてそれぞれ製作されたものをオマージュして製造されたということもあり、話題性も抜群であった。
レディスモデルからは直径32mmのコンパクトなステンレススティール製ケースによる婦人向けの「ノーチラス Ref.7010」が登場。アズールブルーと名付けられた文字盤は、まさしくビーチリゾートにふさわしいモデルだ。ノーチラスは巨匠ジェラルド・ジェンタによってデザインされた高価なスティールウォッチコレクションとしてよく知られる。
ジェンタは当時、より多くの経営責任を父から委譲されつつあったパテック フィリップ社のフィリップ・スターンが、冬には卓越したスキーヤーであり、夏には熱心なヨットマンでレマン湖でのヨットレースに何度も優勝を勝ち取っているスポーツマンであることをよく知っていた。そこでジェンタは新しいスポーツウォッチのインスピレーションとして、フィリップ・スターンをはじめとしたスターン家が好むセーリングに着目し、ケースには舷窓をイメージしたフォルムとレマン湖の水面を思わせる文字盤の模様を考案したのであった。
文字盤カラーについていえば、ネイビーに近い深い色合いのブルーがノーチラスの定番であるが、表題のモデルでは太陽の日差しが強く、より南国リゾートの雰囲気がよく似合うアズールブルーを採用。文字盤のストライプは、レディスモデルの典型である緩やかな曲線を帯び、幅の太い線もあれば狭い線もあるデザインに仕上げた。この波模様には何層も塗り重ねたアズールブルーのラック仕上げが施されており、発色の良さと奥行きを生み出す効果をもたらした。また時分針は丸みを帯びたアルファ型針が採用され、アワーカウンターはアラビア数字とやや膨らみのあるオジーブ型を組み合わせて、どちらにも夜光塗料がたっぷりと施されて視認性を高め、この上なくスポーティなウォッチに仕上げた。
搭載されるのは、機械式ムーブメントと同じ細心の配慮で製造されるクォーツムーブメントのCal.E23-250 SC。時・分表示とセンターセコンドに加え、3時位置にはデイト表示を備える。ストラップには文字盤のアズールブルーと共鳴するコンポジット素材で軽快さを演出した。
南国リゾートの強い日差しに映えるカラーリングとスポーティさ。アズールブルーの発色の良さがディテールの繊細さを際立たすレディス・ノーチラスは、どんな小さなディテールも疎かにしないパテック フィリップの仕事ぶりがよく現れている。


ノーチラス Ref.7010
婦人用ノーチラスの特徴である波模様の文字盤に、アズールブルーのラック仕上げを施したニューバージョン。アルファ型の時分針や、オジーブ型のアワーマーカーやアラビア数字のホワイトゴールド製のアワーマーカーにはホワイトの夜光塗料を施してスポーティに仕上げた。舷窓からインスピレーションを得たケースは、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げが丁寧に使い分けられ、ベゼルには46個のダイヤモンドがセットされる。18KWGケース。クォーツ。ケース径(10ー4時方向)32mm。3気圧防水。670万円。㉄パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター Tel.03-3255-8109
Photographs:Noboru Kurimura
2025年6月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

