【藤崎聡子の一品×逸品ワイン】当たり年のみ作る ヴィンテージ・シャンパン

梨 日本の梨は本当にレベルが高くなっている。甘さ、水分、キレのある酸味、と品種の個性が明確にかんじられるのも面白い。シャンパンに合わせるなら水分量が若干多め、カットした時にしたたり落ちるものが良い。甘さが控えめなものが多いのでブドウの甘みを尊重してくれる。

シャンパンは明確でわかりやすいアイテムが揃っている。なかでもヴィンテージ・シャンパンはブドウの出来が良い年のみの生産。是非味わってみてほしい。

世界的に見てその国の個性を感じることが多いと言われているのがスティルワイン市場。ワイナリーがアイテムの個性に合わせて国によって輸出するアイテムを変えています。例えばこのワイナリーのシャルドネは日本で見たことあるけれどブレンドタイプは初めて見る、というような。海外でのワインリストはそのような体験が多くあります。一方でスパークリングワインの市場は安定。特にシャンパンはどの国を訪問しても必ず日本でも味わえるものが存在しています。これはすごくシンプルなロジック。作られているものが大きく分けてノン・ヴィンテージとヴィンテージ、この2種類なのがシャンパンの特徴だから。

あとはメゾンの個性でブラン・ド・ブラン(シャルドネ100%)、ブラン・ド・ノワール(ピノ・ノワール100%)、ロゼ、スペシャルキュヴェとカテゴライズされるという流れになります。要するに基本の味わいとなるノン・ヴィンテージとその年の個性を表現しているヴィンテージ、この2アイテムがあればシャンパンメゾンの味わいを理解できるというわけです。

ここで注目したいのがヴィンテージ・シャンパン。ブドウの出来が良い年だけ作るアイテムです。つまり毎年誕生するわけではありません。今回ご紹介する「ドゥラモット ブリュット ブラン ド ブラン ミレジメ2018」、その前に誕生したのは2014年ヴィンテージでした。2015、2016、2017はヴィンテージとして存在していません。シャンパンにおけるヴィンテージとはそのくらい繊細でメゾンの意思が現れているものなのです。そしてなぜ注目すべきなのか?それはあと数年したら市場から消えてしまうから。なくなったら終わりなのです。あの味わいをもう一度飲みたい、と思っても手に入れることはできません。

絶対的な美味しさを伝えてくれるのがシャンパンのヴィンテージの世界。当たり年とお伝えすれば理解が深まると思います。そして長期熟成に耐えられるのもシャンパンのすごさ。これがヴィンテージ・シャンパンをケース買いするべき理由のひとつです。熟成の流れ、奥深さ、そして濃厚な香りと変化していくさまはケース買いだからこそ味わえる至福の豊かさなのです。見かけたら即購入をお勧めいたします。


香りと酸味と余韻シャルドネだけでここまで表現できる凄み
シャンパーニュ地方におけるシャルドネの銘醸地・5つの村の個性を合わせたシャルドネ100%。村それぞれがもたらすシャルドネの味わいは複雑でファーストアタックの香りからして驚く。口に含んだ瞬間の広がる酸味は柔らかさとこのワインの持つ将来性を感じる鋭さが重なり合っていて余韻が長い。まだまだ熟成をし続けるポテンシャルを持っている。「ドゥラモット ブリュット ブラン ド ブラン ミレジメ2018」750ml ¥19,800-㉄ラック・コーポレーション

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SATOKO FUJISAKI[ワインスタイリスト]
ワイン専門誌を創刊、編集と広告マーケティングを兼任後独立。男性ファッション誌を中心にワインと料理のペアリング、レストラン紹介などを執筆。世界的なワイン漫画『神の雫』でもコラムを連載。レストランプロデュース、ワインリスト制作も手がける。ジャーナリスト最年少でオフィシエ・ド・シャンパーニュ叙任。

2025年11月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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