日本人アーティストの勢いが凄い
なにげなくつけていたTVから流れてくるその曲に釘付けになってしまった。iriというアーティストの「Corner」という曲。ヴォーカルの存在感と独特の雰囲気、全体に漂う気だるさと、要所要所で入る英語歌詞の崩した発音、トラックも秀逸で現代の音楽を上手く取り入れながら仕上げてある。都会的な音楽ながらオーバーグラウンド過ぎない雰囲気はとても日常的で心地良かった。iriは24歳の女性アーティスト、神奈川県逗子市在住、2016年にデビューしているがアルバイト先のJazz Barで音楽活動を始めたとされている。
自分の声にコンプレックスを強く持っていた事をインタビューで答えており、乗り越えるきっかけもまた声であった事を語っている。彼女のヴォーカルにはそう言った、過去に乗り越えた経験がバネになり厚みを感じることが出来る。早い段階で経験を積み、感情の累積がヴォーカルに厚みを増す。歌詞は感情を言葉に吐きだす作業であるが、その表現もシンプルに削ぎ落とされて行く。彼女のPVを見ながらデビュー当時の宇多田ヒカルを思い出した。本物のアーティストは成長過程が1番おもしろい。
ことばに語弊があるといけないので説明すると、「おもしろい」とは、アーティスト自身の成長と共に見識が増え、視野が広がり、言葉も増える。それによって広がる曲の幅が過去から現在へと変わる過程を聴いて感じる事が出来るからだ。日本には日本のアーティストが多く生まれて欲しいし、負けずに生み出して行って欲しいとも思う。日本語で聞く曲はそれ以外とは別腹だ。つい先日彼女の 2nd Album「Juice」が発売になったばかりなので気になった方はぜひ、夜の湾岸ドライブに最適かもしれない。
【 iri -「Corner」】
【 iri – Official HP 】
http://www.iriofficial.com