New Face New Time Vol.10
新生「G-SHOCK」上質なる革新
比類なき堅牢性を持つ“タフネスウォッチ”の代名詞的な存在が、かつてない斬新なアプローチでさらなる一歩を踏み出した。“革新”と呼ぶに相応しい「G」の遺伝子は、最新鋭の機能と上質なデザインを武器に、最高峰の地位に到達した。
1983年に「PROJECT TEAM TOUGH」によって開発された初代G-SHOCK「DW-5000」は、ウレタンで全面をカバーして、心臓部であるモジュールは点で支えて、ケース内で浮遊させる中空構造が採用されていた。数々の耐衝撃実験をクリアして誕生したG-SHOCKは、一躍“タフ”な腕時計として世界中を席巻する。
それから32年の時のなかで耐低温、防塵、防泥、防水といったあらゆるシーンでの“堅牢性”と同時に、気圧&温度計からストップウォッチ、電波受信、ソーラー充電という“機能性”を武器に、常に進化の歩みを続けてきた。そして極限まで磨き上げれらたタフネスウォッチは、ついにひとつの結晶を生み出すことに。
“革新=プレミアム”をニューコンセプトに開発された「G-SHOCK MT-G GPS HYBRID」の誕生だ。新たに採用された“新CORE GUARD構造”により、耐衝撃性はさらに向上。耐衝撃と耐振動という両面をカバーするため、ケース内部にはα-GELを配置し、衝撃を吸収する構造をもたせた。
さらに新開発のデュアルコイルモーターを搭載したGPSモジュールにより、世界中を飛び回るビジネスマンが必要とする、ワールドタイムを正確に刻んでくれる。だが、新生G-SHOCKの魅力は、歴代モデルが受け継ぐ機能だけではない。
メタルケースの輝き、力強さをアピールしつつ美しくデザインされたリューズガード、ケース一体成形という深く削りこまれたラグ周りを見ただけでも、今までのシリーズとはひと味違うオーラが感じられる。耐衝撃性をキープするために、各所に樹脂素材は使われてはいるものの“フルメタル?”を想起させるほど。
質感高いシルエットは、タフさが真骨頂のモデルとは思えない、高級感たっぷりの仕上がりだ。また、メタルと樹脂で構成されたケースは、上面と裏面を六角タイプのネジを使いムーブメントをはさみ込む新構造となる。
そのほかにもフェイスを構成する3針すべてのカーボン化をはじめ、コアガードの構造の中核となるビスの形状や異型のボタンを見直したニューデザインでまとめられ、その美しさはシリーズ随一と呼べるほど。“上質”を目指した革新的な仕掛けが、随所に盛り込まれているのだ。
“プレミアム”の名にふさわしい機能とデザインに包まれた新生G-SHOCK。タフさ強く打ち出したシリーズの枠に収まらない革新的なアプローチは、オン・オフを問わずに着用できる汎用性に上質さが加わって、所有感も十分。独自の研磨技術が映えるメタルボディの“G-SHOCK”が、タフさだけではない新しいステージを切り開く。
G-SHOCK MT-G GPS HYBRID
MTG-G1000D-1A2JF
タフさにプラスして上質さを追求した、プレミアムなスタイルが美しい「G-SHOCK」のニューカマー。素材や内部の構造を見直し、新しい機能性と耐久性、高級感あふれるプロポーションを構築。新開発のデュアルコイルモーターを搭載した新ムーブメントを採用。重厚かつ高品位なメタルデザインは、フォーマルなシーンで存在感をアピールしそう。クォーツ(GPSハイブリッド電波ソーラー)ムーブメント。SS×樹脂ケース。ケース径54.7mm。
リストバンドは、煌びやかな美しさを強調した駒割りのスタイル。ヘアラインとミラー処理を施された個性あふれる“LAYER COMPOSITE BAND”を採用。裏面には、ブルーのファインレジンが使われ、エレンガントさをキープしつつも「G-SHOCK」らしさを演出している
リストバンドを固定するラグは、ケースバッグと一体成形された鋳造パーツで堅牢さを確保。約1cmの分厚い金属の塊から削り出して加工する特殊構造により、耐久性を保ちつつ軽量化を達成。さらにケース表面をざらつ研磨によって加工することで、他のシリーズには見られない独特の光沢感に包まれたフォルムに仕上げられている。
Styling/Eiji Ishikawa Photo/Takeshi Hoshi Text/Hidenobu Kawarazuka
2015年11月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)