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PATEK PHILIPPE 女性たちに輝かしく寄り添う本格メカニカルウォッチ Vol.28


機械式時計は男性のもの。そう思っている人は少なくないだろう。確かに機械式時計の魅力である、“メカニズムの複雑さ”や“パーツの磨きこみ”を愛でる感覚は、かなり男性的でマニアックな世界である。しかしそこまで深入りせずとも、機械式時計を十分に楽しむことができるのだ。

例えばパテック フィリップ「ワールドタイム7130」は、世界中の時刻が同時にわかるという特別な機構を搭載している。この機構は“旅”から生まれた。長距離を移動する鉄道旅を円滑に進めるために、世界共通の時間基準となる「標準時」が必要となった。

そこで1884年にワシントンで開かれた国際子午線会議にて、イギリスのグリニッジ天文台を子午線(0度)と定めて標準時とし、15度ごとに1時間の時差を設けることで世界を24のタイムゾーンに分けた。つまりワールドタイムウォッチは、136年も前に生まれた時間と旅のルールを機械仕掛けで表現するロマンティックな機構なのである。

操作は女性でもとても簡単だ。10時位置のプッシュボタンを押すと、時針、タイムゾーンを描いたディスク、24時間リングが1時間分ジャンプする。現在地のタイムゾーンが属する代表都市を12時位置に合わせると時針が現地時刻を示し、さらに都市名と24時間リングを組み合わせれば世界中の時刻がわかるようになっている。

それでいてメンズモデルにはない艶やかなブルーダイヤルに、ダイヤモンドをベゼルに配して、華やぎを纏う一本に仕上げた。長時間のフライトを終えて目的地に到着したら、時計を操作して現地の時刻へと針を合わせよう。

すると心身ともに、旅モードへと切り替わるだろう。しかし簡単に時差修正できることだけがこの時計の実力ではない。この機構は日本にいても楽しめる。世界中の時刻が同時にわかるので、「ハワイはそろそろ夕日が沈むかな」、「パリのエッフェル塔がライトアップされる頃だな」などと、“想像の旅”を楽しむことができるのだ。

便利な時代であっても機械式時計が廃れないのは、創造力を掻き立てる力を持つから。時刻を知る以上の楽しみ方があるから、機械式時計に引き込まれてしまうのだ。

ワールドタイム 7130

現在使用されている時差修正のメカニズムは、ルイ・コティエという天才時計師が1935年に発明したもの。10時位置のプッシュボタンを押すと針などが動くが、その感触には不思議な心地よさがある。ダイヤルのセンター部分には精緻なギョーシェ彫りが施されており、光の反射を抑えて針を浮き立たせる。ベゼルには62個のダイヤモンドをセッティングして華やかに。ムーブメントにゼンマイを巻き上げる自動巻きローターを埋め込んで厚みを抑えているので、女性の手首にもしなやかに寄り添う。自動巻き。18KWGケース×ダイヤモンド。ケース径36㎜。634万7000円。

Photographs:Hisashi Wadano Text:Tetsuo Shinoda

2020年3月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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