【G-SHOCK MR-G】THE ULTIMATE CRAFTMANSHIP 型破りな非常識さをまとう
1983年にセンセーショナルなデビューを飾り、一世を風靡した初代G-SHOCK「DW-5000C」。そのオリジナルデザインのDNAを受け継ぎつつも、最新で、最上級のコレクションが誕生した。G-SHOCKが紡ぐ伝説の新章となる、「MRG-B5000」がヴェールを脱いだ。
艶やかな漆黒の漆や銀彩を思わせる、色気のある佇まいで魅了する新生G-SHOCK「MRG-B5000」。デビュー当時、近未来を感じさせる、その趣に心震わせた文字盤のレンガパターンやカラーアイコンであるレッドラインはしっかりと継承しながら、素材や構造にこだわり抜いた一品だ。
まず、特筆すべきは、常識破りの多パーツ構成である。ベゼルひとつをとっても、オリジナルモデルは部品数が1個に対し、新作はなんと25個で組み上げられている。これは、各パーツごとに細部にまで、得意とするザラツ研磨で美しい仕上げを施してから組み立てると、エッジが際立ち、奥行きのある形状が浮き上がるからだという。
さらに、新しい耐衝撃構造と傷に強い美しい鏡面を保つことができる高硬度の先端合金の導入が実現した、タフな仕上がりに注目したい。トップベゼルに採用された「コバリオン」という素材は、純チタンの約4倍の硬度を持つ。この素材は、プラチナに匹敵する輝きを放つので、リュクスな面持ちが高まったのだ。
バンドは、純チタンの約3倍の硬度を持つ「DAT55G」製で、ケースは純チタンの約2倍の硬度を持つ「64 Titanium」が用いられている。加えて、耐摩耗性を強化するため、それぞれの素材には特殊なコーティングを施した。それでも、従来モデルより53グラム軽減し、着用感の心地よさも上がったというのだから、その卓越した技術力に驚嘆する。
茶道や剣道の世界に、技術の進化を表現する「守破離」という言葉がある。「守」は、師や流派の教えや型、技を忠実に守る段階。「破」は、新しい考え方を取り入れて、発展させる段階。「離」は、独自の新しいものを確立させる領域に到達したことを指す。
まさに、「MRG-B5000」は、そんな日本の王道の精神を通って、たどりついた「極み」のかたち。日本が世界に誇るクラフツマンシップと最先端のテクノロジーとの融合が導いた頂きである。そんな一本が身近にあれば、きっと身に着ける紳士に、挑戦する心を思い起こさせ、背中を後押ししてくれるはずだ。
日本のものづくりを追求した誇り高きタイムピース
新作は、プレミアムプロダクト専用ラインで製作される。今回登場したのは、ブラックとシルバーの2色のフルメタリックなモデル。新しく登場したアプリ「CASIO WATCH」で、時計のセルフチェックができたり、アプリで製作した予定を時計でリマインドしたり、時計のボタン操作でアプリの地図上に日時と位置をスタンプすることが可能になった。ともにソーラー電波発電。ケースサイズ縦49.4×横43.2mm。46万2000円。
*右/「MRG-B5000D-1JR」。39万6000円。左/「MRG-B5000B-1JR」。
今回採用された高硬度素材のコバリオン、DAT55Gは日本で開発されたもの。
通常一体成形されるベゼルをあえて細分化して、磨き上げてから再構築。極限まで美しく仕上げたいという作り手の心意気と技術力が冴える。
ベゼルの四隅にT字バーと板バネを組み合わせ、モジュールへの衝撃を緩和する構造に。
匠の技が光るザラツ研磨により、どこから見ても美しい輝きが目を奪う。
Photographs:Hisashi Wadano
2022年3月『HORLOGERIE』本誌より引用(転載)