【RENOMA】レノマ、変わらぬ好奇心と自由を謳歌して60年

モーリス・レノマ/「レノマ」創始者、ディレクター © Maurice RENOMA

世界のどこにもない、パリの小粋さを体現するブランド、「レノマ」が創業60周年を迎えた。このブランドはスタートから劇的であった。創設者であるモーリス・レノマは、パリ16区のポンプ通りに最初のブティックを開設。「ホワイトハウス」というニックネームで呼ばれるブティックは白い外装が一際目を惹いた。

1963年オープン当時のブティック外観。尊敬するジョン・F・ケネディ大統領にちなみ「ホワイトハウス」と名付けた © Renoma archives

ジャケットにデニムでディナーに行く。今では当たり前となった、こうしたスタイルも当時は非常に斬新だった。「レノマ」はドレスダウンという概念を普及させただけではなく、リアルクローズを提案し、新しい価値観を生んだ。こうした概念は、パリの学生からファッション界のスターに至るまで瞬く間に人気を博した。従来のルールにはない独創性のあるモーリスのデザインは、トレンドセッターの注目を集めることとなる。

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とりわけ感度の高いミュージシャンやアーティストが虜になり、こぞって「レノマ」の洋服を身に付けた。ジョン・レノンが「イマジン」のプロモーションビデオで「レノマ」のジャケットを着用。映画・ファッションなど当時にポップカルチャーの中心にいたセルジュ・ゲンズブールは妻のジェーン・バーキンと共に「レノマ」の広告に登場し、パリジャンスタイルを確立させた。

モーリス・レノマと親交が深かったセルジュ・ゲンズブールと妻のジェーン・バーキン。©renoma PARIS

他にもピカソ、ダリ、イブ・サンローラン、ジェームズ・ブラウン、カトリーヌ・ドヌーブなど、ファッション業界はもちろん、ショービジネスからアートの世界に至るまで、錚々たるセレブリティに愛用され新しい潮流をもたらした。

「レノマ」のマルチポケットジャケットを着ているアンディ・ウォーホル。 © Maurice RENOMA, Inspirations

日本で本格的に展開したのは1973年ヨーロッパとアジアでライセンス事業を展開。2000年代からは、アート、カフェ、ファッションを融合したライフスタイル事業をスタート。日本企画となるカプセルコレクションも始動した。創業60年を経て、いつまでも変わらぬ好奇心と自由を根幹に据えた「レノマ」は次の世代に引き継がれていく。

WEBサイト:RENOMA 公式サイト

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