HG HOT NEWS 複雑時計に新たな金字塔を打ち立てた ×VACHERON CONSTANTIN

今年、創業260周年を迎えたヴァシュロン・コンスタンタン。1755年の創業から現在まで、一度も休止することなくスイス時計のルーツであるジュネーブ伝統の時計作りを続けてきたことから、現存する最古のマニュファクチュールとも讃えられる。

スイスを代表するこの名門が、時計の歴史を書き換える驚異的なタイムピースを限定公開した。“世界で最も複雑な時計「リファレンス57260」”である。世界でただひとつしか存在しないこの超複雑時計は、ある顧客からの“世界で最も複雑な時計を作ってほしい”という注文に基づいて、同社のスペシャルオーダーメイド部門「アトリエ・キャビノティエ」の3人の時計師チームが8年以上の歳月をかけてゼロから開発・製造したもの。

直径98mm、厚さ50.55mmのホワイトゴールド製、ダブルフェイス構造のケースの中に収められたジュネーブ・シール取得の手巻きムーブメント「キャリバー3750」は4層構造。つまり4枚の地板を持ち、これまでの世界記録、パテック フィリップが1989年に発表した超複雑懐中時計「キャリバー89」の33を超える57もの複雑機能(機構)を実現。

ダブル・レトログラード・ラトラパンテ・クロノグラフ機能、ユダヤ暦永久カレンダー、ウエストミンスター・チャイム&ナイトタイム・サイレンス機能、パワーリザーブ表示付アラームシステム、レトログラード・デイト日付表示付永久カレンダー、アーミラリ天球儀トゥールビヨンという新型トゥールビヨン……。

どれも凝りに凝ったメカニズムで、かなりの時計通でもすべてを理解するにはかなりの時間がかかるはず。時計界にまたひとつ、偉大な伝説が誕生した。ヴァシュロン・コンスタンタン リファレンス57260。世界でただひとつの、あなただけの時計を作るオーダーメイドサービス「アトリエ・キャビノティエ」部門で開発・製作された、57の複雑機構を搭載する世界唯一の懐中時計だ

ケースは18Kホワイトゴールド製。シルバーオパーリンのダイヤル上、表側に19本、裏側に12本の針がある。表側にはレトログラード・ラトラパンテ・クロノグラフ、ウエストミンスター・チャイムなどの機能が、裏側には永久カレンダー機能などを搭載。非防水

ケースは最高の技で成形され磨き上げられたその輝きは格別。また4時位置にはアラーム用のゼンマイの巻き上げリュウズが隠されている。製作を担当したのは外部の専門工房。2カ所に発注され、仕上がりの良い方を採用した

専用開発されたムーブメント「キャリバー3750」。サイズは直径72mm、厚さ36mm。4つのプレートで構成される4層構造、2800個以上のパーツから構成され、それぞれが主要な機能を担う。石数は242。振動数は1万8000振動/時

Text/ Yasuhito Shibuya

2015年11月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。