CORUM ヨット時計は健在! 名門復権へ
「コルム」は1955年のブランド設立以来、常に個性的で魅力的な腕時計を世に送り出してきた名門ブランド。本物の金貨に超薄型ムーブメントを組み込んだ1965年発表の「コインウォッチ」や、ユニークなブリッジ型のスケルトンムーブメントを搭載した1980年発表の「ゴールデンブリッジ」、厚さ11mmもの球形サファイアクリスタル風防が印象的な「バブル」など名作も多い。
中でも文字盤のインデックスに船舶で使われる国際信号旗を使った「アドミラルズ カップ」は1970年代から80年代にかけて日本でも大ヒットした。この名作中の名作「アドミラルズ カップ」がこの秋、コルムブランドの日本に再上陸とともに、リニューアルを果たした。
サイズは現代的な42mmと38mmに、国際信号旗を使ったインデックスのサイズを適度に小さくするなど、モダンでスッキリとした印象に変身。ビジネスシーンでも使えるスポーティウォッチに仕上がっている。近々、さらに新作の追加も予定されている。生まれ変わった名門ブランドの動向から目が離せない。
アドミラルズ カップは1957年から2003年まで23回開催された外洋航海ヨットレース。その過酷さから伝説的なヨットレースのひとつとして語り継がれている。1977年には石原裕次郎も参加した。
アドミラルズ カップ 38mm
ユニセックスモデルで上品フェイスが印象的。自動巻き。SSケース&ブレス。
アドミラルズ カップ 42mm
こちらはスモセコ付きのアリゲーターストラップモデル。自動巻き。SSケース。
VISCONTI ヴィスコンティ 筆記具メーカーが新作ウォッチを発表
ヴィスコンティは万年筆好きの方ならご存じのイタリアの人気万年筆ブランド。1988年、万年筆のコレクターだったダンテ・デル・ヴェッキオが、1920〜50年代、万年筆が紳士にとって不可欠だった時代の復興を目指して創業。その志と手作業にこだわった製品は世界中で共感を集め、1990年代に欧米を中心に起きた万年筆ブームで中心的な役割を果たし、日本をはじめ世界中にファンがいる。
このヴィスコンティが創業25周年を記念して時計分野に進出。この秋から、時計コレクションの本格展開を開始した。ラインナップはサファイアクリスタル製のケースを使った写真のプチコンプリケーションモデル「クリスタル デモ」を筆頭にクロノグラフ、ダイバーズ、デュアルタイム(GMT)、シンプルな3針モデルと幅広く、搭載ムーブメントも自社オリジナルムーブをはじめデュボア・デプラやソプロッドなど時計愛好家からも評価の高いものを採用している。
デザイン上の特徴は「A Bridge Over Time(時に架けられた橋)」というキャッチフレーズそのままの、サファイアクリスタル風防の上に架かった橋のようなラグ。“常識を超えた美しさ”を手作業と素材にこだわって製作されている万年筆と同様に“男が身に着ける宝石”にふさわしい、上質で堂々たる仕上がりだ。
スペックを見てもディテールの仕上がりを見ても、時計作りに対する真摯な姿勢がうかがえる。 万年筆に特別に興味はないという人でも、この時計コレクションにはどれも一見の価値がある。またこれを機会に、時計ばかりでなくヴィスコンティの万年筆にもぜひ目を向けてみては。クリスタル デモ サファイアクリスタル製ケースにレトログラード式日付表示、パワーリザーブ表示付き自動巻きムーブを搭載。世界限定88本。
ディビーナブラックオーバーサイズ 万年筆。クローム23Kt.パラジウムニブなど新機構も自慢。
Text by Yasuhito Shibuya
2014年9月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)