男こそ腕時計だ!本能を掻き立てる冬の本命

腕時計は時刻を確認する道具に過ぎない。しかし、そこにブランドが歩んできたヒストリーや人それぞれの想い出が加われば、何ものにも代えがたい特別なものとなる。男はそういう語れる時計に本能的に求めているのだ。イルミネーションが街を染める頃、それがギフトシーズンの始まりの合図となる。時計が豊富に揃うシーズンに向けて、男の本能を刺激する新作時計をご紹介する。

PATEK PHILIPPE

年次カレンダー・レギュレーター

得意とする年次カレンダー機構をレギュレーター仕様で表現した新作モデル。レギュレーターとは時・分・秒をそれぞれ独立させた表示方法のことで、カレンダー表示も独立した小窓となっているので、すっきりとした印象となっている。ダイヤルはヘアライン仕上げのグラファイトとエボニーブラックのツートーンで構成され、ダイヤルと表示窓を美しく浮かび上がらせている。クラシックなデザインとは裏腹に、脱進機にはシリコンベースのSilinvar®が採用され、最先端の技術が投入されているのもポイントだ。自動巻き。18KRGケース。ケース径40.5㎜。アワーグラス銀座店 問03-5537-7888

AUDEMARS PIGUET

ロイヤル オーク オートマティック(左)

今年の話題作「CODE11.59」の3針モデルにも採用された新開発のCal.4302を搭載する新世代モデル。ダイヤルはミニッツトラックをタペストリーパターンの外周に変更し、インデックスをやや幅広にすることで視認性を高めた。またダイヤルからAUTOMATICの文字が消え、すっきりした見た目の印象となった。パワーリザーブは約70時間にアップし、実用性もアップ。自動巻き。18KPGケース。ケース径41mm。オーデマ ピゲ ジャパン 問03-6830-0000

VACHERON CONATANTIN

オーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー(右)

パーペチュアルカレンダーとムーンフェイズの機構を厚さがわずか4.05mmという超薄型ムーブメントに収めたキャリバー1120 QP/1を搭載したオーヴァーシーズの複雑モデル。不規則なカレンダーを調整しながら、2100年まで修正が不要だ。工具不要でラバーやレザーストラップにも付け替えが可能なインターチェンジャブル・システムも採用しており、非常に実用性の高い複雑時計といえる。自動巻き。18KPGケース。ケース径41,5mm。ヴァシュロン・コンスタンタン 問0120-63-1755

ZENITH

デファイ インベンター(左)

2017年に発表された、複数のパーツからなる調速脱進機を単結晶シリコン部品の単一部品に置き換えた画期的なムーブメントを搭載するモデルがついに量産化。オシレーターと名付けられるこのワンピースによって、毎秒36振動と振動数をアップさせ、平均日差は±1秒以下という驚異的な精度を実現した。ベゼルにはチタンの1/3の重さのアルミポリマー合成素材のアエロナイトを採用する。自動巻き。Tiケース。ケース径44㎜。ゼニス 問03-3575-5861

TAG HEUER

タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02T トゥールビヨンクロノグラフ ブルーエディション(右)

モデル名の「ホイヤー02T」の「T」とはトゥールビヨンのこと。コラムホイールに垂直クラッチ式の自動巻きクロノグラフのホイヤー02にトゥールビヨンが搭載したモデルに、ムーブメントのブリッジやベゼルのタキメーターの目盛りにブルーを印象的で配した。キャリッジにもブルーが施され、メタルカラーとのコントラストでスポーティに映える。自動巻き。Tiケース。ケース径45㎜。LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー 問03-5635-7054

JAEGER LECOULTRE

マスター・ウルトラスリム・デイト(左)

楔形インデックスにドーフィン針という正統派薄型ドレスウォッチのマスター・ウルトラスリム・デイトから39mmサイズが登場。楔形インデックスを長めに変更するなど、改良を加え、6時位置のデイトを中心に左右に均整の取れたデザインに磨きをかけた。ダイヤル外周には職人が彫刻を行うようにケースをカットしてダイヤモンドをセッティングする技を施し、シンプルだが美しい仕上がりとなっている。自動巻き。18KPGケース。ケース径39mm。ジャガー・ルクルト 問0120-79-1833

IWC

パイロット・ウォッチ・クロノグラフ・スピットファイア(右)

シルバーのボディを持つ英国の戦闘機スピットファイアから着想を得たようなステンレススティールのケースを纏うクロノグラフ。そのムーブメントには2016年に発表された自社製キャリバー69380が採用され、伝統的なコラムホイールの頑強なクロノグラフムーブメントが搭載されている。ケースバックには戦闘機で世界一周をするという“ロンゲスト・フライト”で日本にも飛来したスピットファイアのエングレービングが施されている。自動巻き。SSケース。ケース径41mm。IWC 問0120-05-1868

PANERAI

サブマーシブル BMG-TECH™-47mm(左)

耐蝕性、剛性、耐衝撃性、耐磁性に優れたバルク金属ガラス「BMGテック」をケースに、軽量で堅牢な「カーボテック」を逆回転防止ベゼルに採用したサブマーシブル。パネライの誇る2大先端素材をはじめて一緒に採用し、タフさと軽さを併せ持つ新時代のダイバーズに仕上がった。筋目模様が1点ごと異なるユニークピースカーボテックベゼルも魅力だ。300m防水。自動巻き。BMGテックケース。ケース径47㎜。オフィチーネ パネライ 問0120-18-7110

HUBLOT

アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー チタニウム ホワイト(右)

フランス人現代アーティストのリチャード・オーリンスキーとのコラボから、日本限定モデルが登場。ケースやベゼルはもちろん、プッシュボタンや針に至るまでファセット(多面加工)が施されているため、角度や反射によってさまざまな表情を見せるのがこのモデルの特徴。加工の難しいチタンケースにポリッシュ加工を施し、ディテールには特別仕様のホワイトを効かせた。日本限定100本。自動巻き。Tiケース。ケース径45㎜。ウブロ 問03-5635-7055

MONTBLANK

モンブラン ヘリテイジ モノプッシャー クロノグラフ(左)

ボンベダイヤルにアラビア数字とドットインデックスがデザインコードとなっているヘリテイジ ライン。そのシリーズから登場したのが、リューズの同軸上にプッシュボタンを備えるモノプッシャークロノ。センターに時分針とクロノグラフ秒針、9時位置にスモールセコンド、3時位置に30分積算計を備える。2つ目ダイヤルに控えめなブルーの差し色がモダンに映える。自動巻き。SSケース。ケース径42㎜。モンブラン コンタクトセンター 問0120-39-4810

OMEGA

シーマスター アクアテラ GMT ワールドタイマー マスター クノロメーター(右)

シーマスター アクアテラからワールドタイムモデルが再登場。チークコンセプトと呼ばれる縦ストライプがあしらわれ、都市名表示には通常パリが多いところ、オメガの故郷であるビエンヌが表示されている。ダイヤル中央に24時間を示すリングを配し、地球にはグレード5チタンにレーザー加工で青い海を作り、大陸を浮き上がらせるデザインに仕上げた。自動巻き。SSケース。ケース径43㎜。104万5000円。オメガお客様センター 問03-5952-4400

BELL&ROSS

BR 05 スティール(中)

ミリタリーの力強いデザインを得意とするベル&ロスから、都会的に洗礼された新コレクションが登場。新作ではフラットで一体型ケースを選択し、サテン仕上げとポリッシュ仕上げを巧みに使い分けることで高級感を演出した。さらにケースから延びるブレスレットにも同様の処理を施し一体感を強めている。レザーやラバーの多かった同社にとって、ブレスレットの高い完成度も見どころだ。自動巻き。SSケース。ケースサイズ40㎜。ベル&ロス ジャパン 問03-597 7-7759

CUERYO Y SOBRINOS

ヒストリアドール 1519(左)

キューバにルーツを持つクエルボ・イ・ソブリノスからハバナ市の市政500周年を記念したモデル。ダイヤル中央にはハバナの旗に描かれた鍵が目印となった第2時間帯表示を示すアールデコ調にギョーシェ彫りされた回転ディスクを搭載される。シャンパンカラーの独特な形状のバーインデックスやブレゲ針などクラシックな魅力が詰まった1本だ。限定500本。自動巻き。SSケース。ケース径40㎜。ムラキ 問03-3273-0321

CASIO

オシアナス マンタ(右)

薄型のOCW-S5000をベースに、江戸切子の手法で日本伝統の文様である「千筋」をベゼルにサファイア素材で表現した人気シリーズ。新作は都会の夕日のような美しい琥珀色とブランドカラーであるブルーのコンビネーションで琥珀被千筋を表現。ダイヤモンドに次ぐ硬度のサファイアガラスを職人が時間をかけて仕上げた力作だ。クォーツ。Tiケース。ケースサイズ48.3×42.3㎜。カシオ計算機お客様相談室 問03-5334-4869

SCHAUMBURG WATCH

スチームパンク1-REC(左)

工業機械による商業的な時計作りとは一線を画し、熟練職人により1本1本手作業で作るシャウボーグウォッチ。この時計の色合いは着色ではなく、ステンレススティールのケースを300度のオーブンで加熱し、独特の風合いを出したもの。加熱処理は素材の硬化の作用もプラスされるので、実益も兼ねている。褐色化加工を施すことでヴィンテージの雰囲気を追加した。手巻き。SSケース。ケース径42mm。ユーロパッション 問03-5295-0411

SCHAUMBUBRD WATCH

クラシック マスター(右)

彫金技法に定評があり、スケルトンウォッチにも注目の集まるシャウボーグウォッチ。このモデルもエングレービングとスケルトナイジングが魅力で、地板やブリッジに直接エングレービングを施した立体的な表情は、まさにハンドクラフトの世界となっている。ブルースティールのブレゲ針はもちろん、青焼きのビスやルビーもダイヤルを彩るアクセントとなっている。手巻き。SSケース。ケース径42㎜。ユーロパッション 問03-5295-0411

Photographs:Takeshi Hoshi 
Styling:Katsuya Kubokawa

2019年11月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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