PATEK PHILIPPE トラベルタイム機能を備えた、24時間表示ウォッチ

パテック フィリップの大展覧会ウォッチアート・グランド・エキシビション 《東京 2023》が6月10日~25日の日程で開催されている。特別な許可を得たジュネーブのパテック フィリップ・ミュージアムの所蔵作品からの約180点を含め、時計史における技術的またはデザイン的に重要な傑作から最新作まで約500点のタイムピースとオブジェが東京にやってくる。ミュージアム・ピースを東京で見る機会はめったにないことであるし、鑑賞すればパテック フィリップへの理解が深まり、現行品の魅力がさらに高まることだろう。

パテック フィリップの新作時計は、ミュージアム所蔵の歴史的なタイムピースをヒントにして発表されることが多い。今年の新作である「カラトラバ・トラベルタイム 5224」もそのひとつだ。この時計は24時間表示とトラベルタイム機能を備えたまったく新しい時計なのだが、この24時間表示は20世紀初頭にブラジルの販売店ゴンドーロ&ラブリオ社のために製作されたクロノメトロ・ゴンドーロに採用されていた。

5224は、そのうちのひとつである1905年に製作された懐中時計「Inv.P-527 」がモチーフとなっている。このゴンドーロ&ラブリオ社とは、19世紀から20世紀初頭にかけて画期的な販売システムによって数千点のパテック フィリップのタイムピースを販売した実績を持つ。最盛期の販売は年間生産量のほぼ3分の1を占めたという。腕時計が流行し始めた時代にはトノー型、スクエア型、クッション型、レクタングラー型などの多彩なフォルムが創作され、ゴンドーロという名がラウンド型以外のモデルのコレクションに与えられる源流にもなっている。

この「カラトラバ・トラベルタイム 5224」の24時間表示は、現代的に再解釈してオリジナルモデルのように正午を6時位置ではなく12時位置に配置し、昼間帯の視認性を高めている。午前・午後で見間違えない24時間表示はトラベルタイム機能とも相性がいい。またこれまでのトラベルタイムは9時位置側のケースに専用プッシャーを配していたが、昨年のRef.5326からリューズひとつで1時間ずつ前進・後退できるようになった。こうして5224の24時間表示は操作性と機能を最大限に引き出したデザインとなっているのである。

残念ながら、この時計のモチーフとなった懐中時計「Inv.P-527」は今回のエキシビションで来日しない。しかし、同時期にゴンドーロ&ラブリオ社で販売された24時間表示の懐中時計が2点も展示される。この機会に、ぜひ会場で100年前と最新の24時間表示の時計を見比べてみてほしい。


カラトラバ・トラベルタイム 5224
24時間表示のダイヤルに、2本の時針を備えたトラベルタイム機能を搭載。ムーブメントはキャリバー31-260をベースに、トラベルタイムの機能を加え、歯車の輪列まで再配置した新キャリバーを採用。24時間表示はアプライドインデックスを採用しているが、18や20など2桁の数字が増えるため、配置のバランスや工程数も多く、実はとても難しい。自動巻き。18KRGケース。ケース径42mm。771万1000円。㉄パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター ☎03-3255-8109

Phtograph:Takeshi Hoshi

2023年6月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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