PATEK PHILIPPE アクティブな旅好きのあなたに Vol.30
4月末に開催される予定だった世界最大の時計フェア「バーゼルワールド」の中止で、新作発表を延期した世界最高の時計マニュファクチュール、パテックフィリップ。
世界の時計ファンが発表を待ち望む中、同社は新作を一挙に発表するのではなく、6月から順次、オンラインで発表するかたちを選んだ。
そして9月に発表され、時計愛好家に限らず多くの人から熱い視線を浴びた1本が表紙のブルーダイヤルの腕時計、「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム Ref.7234」モデルだ。「トラベルタイム」は、パテックフィリップが1996年に特許を取得し、初の製品が登場した独自のデュアルタイム機構。
ローカルタイム(旅行先の現在時刻)を示す通常の時針と、ホームタイム(出発地の現在時刻)を表示するスケルトンタイプの時針を備え、2つのタイムゾーンの現在時刻を文字盤から同時に読み取ることができる。さらに文字盤の3時位置にはホームタイム、9時位置にはローカルタイムの午前、午後を示すインジケーターも備える。
だから2つの時間帯の昼夜もわかる。しかも、ローカルタイムの時針の1時間単位での調整が、ケース左にあるプッシュボタンを1/4回転させてロックを解除することで操作が可能になり、使わないときは固定できる2つのボタンを押すだけで簡単に行える。
旅する人にとって、これ以上はない使いやすさを実現した。その上、デュアルタイム表示が不要なときは、スケルトンの時針を通常の時針の下に重ねて隠し、ふつうの時分秒針付きの時計として使うことができる。
この新作は、同社が誇るこのデュアルタイム機構を1930年代のパイロットウォッチスタイル、しかも直径37.5mmという小ぶりの、ユニセックスなサイズのケースに組み込んだもの。男女を問わず、アクティブで旅好きなあなたにぜひ使ってほしい逸品だ。
カラトラバ・パイロット・トラベルタイム
Ref.7234 精悍なフォルムのケースに、視認性に優れたアラビア数字インデックスと太い針。1930年代のパイロットウォッチスタイルに特許を取得しているデュアルタイム機構を搭載した「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」、待望のユニセックスサイズ。自動巻き。18KWGケース。カーフストラップ。6気圧防水。ケース径37.5mm。ケース厚10.78mm。557万7000円。問パテックフィリップジャパン・インフォメーションセンター 問03-3255-8109
Photographs:Hisashi Wadano
Text:Yasuhito Shibuya
2020年11月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)