【HG column 03(オルロジュリーVol.35)】LIVERANO & LIVERANO

「私が仕立てているのは服という文化」というアントニオ・リヴェラーノ氏。日本の襖をイメージした商品棚など、旗艦店のデザインに和文化へのオマージュが感じられる。

フィンレンツェの偉大なるサルトリア 世界初の旗艦店が、この春オープン!

フィレンツェが誇るサルトリアの名門「LIVERANO & LIVERANO」が、この春、世界初の旗艦店を大阪・北浜にオープンさせた。74年の歴史をもつ世界屈指のサルトリアがこの日本に店を構えるのだから、スーツを愛する方々はさぞ胸を躍らせているに違いない。

ブランドの創業者であり究極のメンズエレガンスを追求するアントニオ・リヴェラーノ氏は、サヴィルロウやナポリも一目置く伝説の仕立て職人だ。世界最高峰ともいわれるフィレンツェ・カットを継承し、卓越したアイロンワークや縫製技術をもって今日の“フィオレンティーナ・スタイル”を確立させたのも彼の功績である。

メイン写真中の「A 4 シングルブレスト」はブランドを象徴するモデル。豊かな色彩感覚、フロントダーツのない膨らみのある胸まわり、ゆったりと優雅なショルダーライン、そして、からだの曲線をどこまでも美しく見せる技はもはや芸術といっていい。

スミズーラ(セミオーダーメイド)でも、レディトゥウェア(既製服)であっても、完璧すぎるほどのフィオレンティーナ・スタイルがそこにある。世界のウェルドレッサーが憧れる一生もののスーツ、LIVERANO & LIVERANO。大阪まで足を運び、その真髄を確かめてみる価値は、大いにある。

LIVERANO & LIVERANOのベースはあくまでもスミズーラだが、アントニオの美意識や技を継承し、より多くの人々に、より多くのシーンで、その素晴らしさを知ってもらいたいという想いからレディトゥウェア(既製服)をはじめ、2022年の春/夏からはよりカジュアルラインとなる「Live by Antonio Liverano」レーベルを展開する。この新たな試みを支えるのが”Liverano Fellows”と呼ばれるアントニオが認めた13人の愛弟子たちだ。

どちらのレーベルも既製服でありながらLIVERANO & LIVERANOのエッセンスを備えた、まさに別格の一着ばかり。カジュアルなシーンでも楽しめるのはうれしい限りである。右の写真左が創業者のアントニオ・リヴェラーノ氏、右が一番弟子であるヴィットリオ・サリーノ氏。

Information Contact
LIVERANO & LIVERANO OSAKA
住所:大阪府大阪市中央区北浜3丁目2-4
Tel.06-6222-3000
メール.info@liverano.jp
営業時間:11:30-20:00
定休日:水曜・木曜 *4月より変更の可能性あり
LIVERANO & LIVERANO OSAKA 公式サイト:https://liverano.jp

Photohgraphs:Hisashi Wadano[boutique]、Rony Cadavid[Jacket, Portrait]
Text : T.Yodo

2022年3月『HORLOGERIE』本誌より引用(転載)

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