PATEK PHILIPPE 宇宙を旅する気分を味わうムーンフェイズ
人類が最後に夢見る旅として、宇宙旅行熱が加速している。この数年で、夢物語が急激にリアルになったこともあり、アメリカの富裕層にとっては、宇宙旅行への参加が今一番ほしいプラチナチケットになっている。
しかし、宇宙旅行がまだフィクションだった時代の情緒あふれる、さまざまな表現を楽しむのも一興だ。映画や小説はもちろん、タイムピースでいえば“ムーンフェイズ”がそれにあたるだろう。各ブランドが、いろいろな技法を駆使したムーンフェイズを出しているが、多くの女性から憧れを集めるのが「パテック フィリップ」。パテック フィリップのムーンフェイズは、夜空を表すディスク部分にとどまらず、スモールセコンドのダイヤルにも大小の星をあしらい華やかだ。とくに、写真のミッドナイトブルーで統一されたモデルは、夜空をそのまま閉じ込めたような幻想的な美しさだ。
ソレイユ仕上げで繊細な光を放つ文字盤には、インデックスやアワートラックが配され、ベゼルは天の川のように煌めく。この煌めきは132個のブリリアントカット・ダイヤモンドを2列にセッティングしているからにほかならない。それも《ダンテール》(レーススタイル)”と呼ばれるエクスクルーシブな技法で留められているため、最大限に光を集め、輝きが強いのだ。こんな壮麗な時計を身に着けて秋の夜長を過ごせば、ロマンティックな気分で、しばし空想の宇宙旅行を楽しめそうだ。
ムーンフェイズ Ref.7121/200
手巻き。18KWGケース。アリゲーターストラップ。ケース径33mm。537万9000円。㉄パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター☎03-3255-8109
Photographs:Hisashi Wadano
2022年9月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)