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日本唯一の曲木家具専門工房「秋田木工」と気鋭のデザイナー小林幹也が手掛ける新作家具コレクション「an」誕生

流れるような曲線が奏でる優美なフォルム。天然木の温もりが空間に明るさとやすらぎをもたらします。曲木家具の専門工房「秋田木工」とインテリアデザイナー小林幹也さんとのコラボレーションによって誕生した「an」は、「安住、安泰、安堵」をキーワードにした新しい家具コレクションです。

「秋田木工さんとの出会いは学生時代。インテリアデザインを学ぶなかで、恩師であり、椅子の研究家として名高い島崎信さんから、その歴史や技術力の話を伺ったのがきっかけです。伝統にもとづいた匠の技からつくられるイスやテーブルは、洗練された意匠ながら機能性も高い。いつか自分もこんな家具をつくってみたいと思っていたので、今回のプロジェクトが決まった時は嬉しかったですね」

そう話すのは「an」のデザインを手がけた小林さん。東京とスペインを拠点に活動し、ドイツの「iFデザインアワード」をはじめ多くの受賞歴を持つ気鋭のデザイナーです。一方の秋田木工は1910年に創業した日本唯一の曲木家具の専門工房。その技術力の高さは柳宗理や剣持勇といった名だたるデザイナーも惚れ込むほどで、さまざまな名作を世に送り出しています。

熟練の職人が丁寧に仕上げる優美で強い曲木家具

「an」の最大の魅力は何といっても職人が生み出す曲木の美しいフォルムです。曲木は、圧力をかけて変形させると元に戻らなくなる木の性質を利用してつくられます。木の継ぎ目がないため耐久性に優れていて軽く、接着剤等を使わずに成型するから環境にもやさしい。しかし、木材を長時間蒸してから型に合わせて曲げていく作業は高度な技術を要するもの。秋田木工では熟練の職人が対話をするようにして木の個性を感じ取り、一つひとつ丁寧に仕上げています。

「私は家具が生まれる土地の風土や作り手の思いを大切にしています。工房がある秋田の町はおだやかで温もりに包まれています。そして職人さんたちからは家具へと注ぐ愛情や情熱が伝わってくる。その土地を歩き、作り手と触れ合うことで、anに込めた安住、安泰、安堵のイメージがふくらんでいったのです」(小林さん)

ラタンを組み合わせてしなやかな使い心地を追求

素材には木目の美しいナラ材を使用。「空間に違和感を生まない佇まい」を追求しているという小林さんは、幅広い空間に馴染むナチュラルでやさしい色味にこだわりました。そして、そこに組み合わせたのがラタン(籐)。椅子の座面や背面、テーブルの収納棚に抜け感のあるラタンを用いることで、空間に軽やかさを演出しています。また、体を包み込むようなしなやかで心地よい肌触りも特徴です。

「人間の体には直線がありません。複雑な体の曲線をやさしく支える自然素材を考えた時に、ラタンを取り入れようと思いました。近年はラタンの安定的な仕入が難しく、使用する国内メーカーも減っていますが、曲木のやわらかさとラタンの軽やかさを組み合わせれば他にはない新しい家具になると思ったのです」

そう話す小林さんのもう一つのこだわりが椅子の後ろ姿です。「視覚効果も空間づくりには欠かせない要素ですが、実は椅子って前からよりも後ろから見ることが多い。だから空間と調和する美しい背面を追求しています」と小林さん。また、どこに座っても自ずとテーブルの中心に向く円形のダイニングテーブルには、賑やかな家族団らんのひと時を過ごしてほしいという思いを込めています。

「暮らしの中にあるさまざまな“an”のシーンを想像しながらデザインし、秋田木工さんとつくりあげました。anがあるから家でゆっくりくつろぎたい、家に早く帰ろうと思ってもらえたら嬉しいですね」

商品に関するお問い合わせ先
IDC OTSUKA Tel:03-5530-5555
https://www.idc-otsuka.jp/recommend/an

小林幹也
デザイナー / ディレクター1981 年東京都生まれ。2005 年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。インテリアデザイン会社勤務後、MIKIYA KOBAYASHI DESIGN設立。家具、プロダクトからインテリアデザインまで幅広く携わり、国内外のクライアントとともにデザインを提案している。2010年ドイツのiF product design awardにて金賞、ドイツred dot award 、グッドデザイン賞、adc 賞など受賞歴多数。2011年にはショップ「TAIYOU no SHITA 」をオープン。2012 年株式会社小林幹也スタジオ設立。2018年ライフスタイルブランド「IMPLEMENTS」をオープン。東京とスペイン・バレンシアを拠点に活動。

WEBサイト:MIKIYA KOBAYASHI PROJECT  公式

秋田木工株式会社
100年以上の歴史を持ち、曲木家具をつくり続ける日本唯一の専門工房「秋田木工」。曲木の技術を発明したのは、ドイツ人のヒャエル・トーネット(1796年〜1871年)。曲木とは、その名の通り、無垢の木材を高温の蒸気で蒸して曲げる技術。曲木の描く緩やかな曲線は、デザイン性と機能性の双方を追い求めた、1つの答えです。「暮らしの中で、快適に使える家具であるように」そんな想いを実現するために、デザインやパーツで微妙に曲げの角度を変え、木の太さや滑らかさ、色などにこだわり、すべて熟練した職人の手で丁寧につくられます。木取り、曲げ木、切削、研磨など、一つひとつの工程を熟練した職人の手で行うことで、片手で持てるほど軽量にもかかわらず、堅牢で丈夫、そして比類なき美しいフォルムが生まれます。曲木家具は、生活に密着した機能性や実用性、そしてその美しさで、不朽のスタイルとしてその存在感を示し続けています。

WEBサイト:秋田木工株式会社 公式

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