【Ritzwell】誠実な手しごとで、 暮らしの価値観をも高めていく
革の状態を見極め、締め付けの加減を微妙に調整しながら、丁寧にフォルムの美しさを引き出していく細やかな感覚。針と糸を巧みに使いこなし、職人自らの指先の感覚だけを頼りに一針一針縫い進んでいくハンドステッチ。手しごとにこだわる真の職人技と言える。
リッツウェルは1992年に福岡で創業。企画・デザインから製造までを一貫して行う日本の家具ブランドだ。「使う人の愛着を記憶する家具でありたい」この想いを原点に、流行に左右されることなく、暮らしの中で人の心に永く寄り添う家具を追求し続けてきた。現在、代表取締役兼クリエイティブディレクターの宮本晋作がデザインの中核を担い、実用性と美しさを高い次元で融合させている。
製作の拠点となるのが福岡にある「糸島シーサイドファクトリー」。海と山に囲まれた自然豊かな場所にある。ここで大切にされているのは、手間を惜しまない誠実なものづくりの姿勢だ。効率よりも品質を優先し、職人一人ひとりが培ってきた技術と経験を活かしながら、細部まで妥協なく仕上げていく。
特に「ハンドステッチ」と呼ばれる革を縫い合わせていく手作業は、職人の感性が仕上がりを左右する工程で、リッツウェルらしさを象徴するディテールとなっている。この工房には、国内外の建築家やデザイナー、インテリアのプロたちが足を運ぶ。 製品カタログだけでは伝わらない、素材への向き合い方や職人の所作を通じて、ブランドの本質を確認するためだ。
完成した家具の評価は高く、世界的に権威のあるデザイン賞を数多く受賞し、世界の名だたるラグジュアリーホテルにも採用されている。納入後の家具のメンテナンスやオーナーとの関係づくりにも力を注ぎ、“作り手”と“使い手”との絆を深めてきた。家具と共に暮らしの価値観をも高めていく。それが、リッツウェルのスタンスだ。
「職人としての美意識や技術力は、作り手自身が快適な環境に身を置くことでこそ磨かれるもの」という理念。風光明媚な自然の中に佇むモダンな建物の中は効率よく働けるよう計算された動線とストレスを生まない空間設計となっている。
光と影で生じる立体的なフォルムが美しい “VESPER(ヴェスパー)”ラウンジチェア。バックレストは背の緊張感をそっとほぐして柔らかく身体を包み、シート部分は三次曲線の形状で座り心地をほどよく安定させてくれる。また、フレームはやや細めのスティール製を使用して軽快感を保ち、手のひらに直接触れるグリップ部分は厚革で特殊な紐巻きをおこない温かな安心感を与えてくれる。※イタリアのデザイン賞「archiproducts DESIGN AWARDS 2025 WINNERS」を受賞。
ファクトリーの中廊下で工場を見渡すように立つドン・キホーテの像。「夢をもって世界へ広げよう」という創業者の決意の象徴でもある。
一台一台、革の状態を確かめながら丁寧に張り上げていく。
革一枚一枚の表情を確かめながらその良さを引き出していく。
2階は、皮革やファブリックのカットや縫製のエリアとなっている。
Information Contact
リッツウェル
SHOWROOM
東京 / 東京都港区南青山2-13-7 マトリス3F
大阪 / 大阪市福島区福島1-1-17
堂島リバーフォーラム2F
福岡 / 福岡市博多区板付5-2-9
SHOP & ATELIER
表参道 / 東京都港区北青山 3-4-3 ののあおやま1F
FACTORY
糸島シーサイドファクトリー福岡県糸島市二丈吉井3515-1
お問い合わせ/TEL 03-5772-3460(東京ショールーム)
Text : Keiji Yamada
2026年3月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

