ミドシップになったコルベットが話題

ボディサイズは全長4,630ミリ、全幅1,934ミリ、全高1,234ミリ

アメリカでほぼ唯一のスポーツカー「シボレー・コルベット」がフルモデルチェンジ。本国では2019年夏に発表された新型が、2020年1月に開催された「東京オートサロン2020」に姿を現した。日本には右ハンドルが導入されるというのもニュースといっていいだろう。

C8とコードネームで呼ばれることもある新型コルベット。495馬力の最高出力と、637Nmの最大トルクを持つ6.2リッターV型8気筒OHVエンジンをコクピットの背後に積んでいる。1953年に登場していらい、コルベットはついにミドシップになったのだ。

ミドシップ化したことで、パッケージングも本格的なスポーツカーとなった。2名がおさまるキャビンは前進して、ドライバーを中心にヨーモーメントを作りだす、フェラーリやマクラーレンのような設計思想が採用されている。

エンジンはドライサンプ式だ。低重心化と、リアルスポーツカーとしてのハンドリング向上が目指されている。トランスミッションは8段のツインクラッチ。4630ミリの全長と、1234ミリの全高を持つボディに搭載された。

米国では、2020年2月かのデリバリー開始。同時にはやくもレースプログラムがスタートした。「C8.R」(Rはレーシング)というモデルで、1月25日から26日にかけてのデイトナ24時間レース(GTLMクラス)に参戦。BMW M8 GTEやポルシェ911RSRと伍して走り、結果は、総合16位、クラス4位。初戦としては、悪くない成績を残したのだった。

日本には、2モデルで。「2LT」(予価1180万円)と「3LT」(同1400万円)が導入される。2つの仕様のちがいは装備。たとえば3LTには内外装ともにカーボンパーツが採用され、シートはよりホールド性を高めたコンペティションスポーツバケットとなる。

日本仕様には標準で、マグネティックライドコントロール、パフォーマンスエグゾースト、リアスポイラーなどを含む「Z51パフォーマンスパッケージ」が組み込まれる。すでに仮予約が400台入り、多くは3LTだそうだ。

「多くの装備がオプションとなる他社のスポーツカーに較べて、たいへんバリューのある価格設定にしています」とは、日本ゼネラルモーターズの広報担当者。予約はネットで始まっており、受付番号の早い順から優先的に工場へ発注。デリバリーは2021年春以降予定という。

「デュアルエレメントヘッドランプ」が採用される

 

後輪の前に搭載される6.2リッターV型8気筒OHVエンジンの最高出力は369kW(495hp)@6250rpm、最大トルクは470Nm@5150rpm

 

変型ステアリングホイールが目をひくインテリアでは、フロントカーブビューパーキングカメラ、HDリアビューカメラ&リアパークアシストなど運転支援機能も装備

 

日本には右ハンドル仕様が導入される

 

小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。読者の方がたの興味に合致しそうな”いいクルマ”の世界を紹介していきたい。

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