時速400キロ超えを達成した マクラーレンのハイブリッドスポーツ

F1の技術を応用したハイブリッドスポーツをマクラーレンが発表した。テストで記録したのは時速403キロ。市販に向けて、着々と開発が進んでいる。

「スピードテイル」と名づけられたマクラーレン最速のモデル。発表されたのは2019年3月にスイス・ジュネーブで開催された自動車ショー会場だった。

長く平たい、まるで実験車のようなボディが特徴的で、かつ、たとえば車体が一定速度に達するとテールの端がめくれるようにスポイラーが出現するなど、メカニズムにもこりまくっている。

2020年4月に発表されたところによると、米国での最高速チェックでは、時速403キロの最高速を達成。また時速300キロに到達するのに13秒しかかからない。マクラーレンは鼻高々だ。

使われているのはF1ゆらいのハイブリッド技術で、マクラーレンによるとモーター単体で230KWの出力を実現しているそうだ。先進技術を担当しているのは、マクラーレン・アプライド社である。

いっぽうエンジンは、「M840TQ」とよばれる、4.0リッターV型8気筒ツインターボ。マクラーレン初のハイブリッド「マクラーレン P1」のエンジンをベースに開発されたものという。

エンジン単体で757馬力の最高出力、800Nmの最大トルクを発揮。ハイブリッドシステムでは、それが、最高出力1070馬力へと上がり、最大トルクも1150Nmに増大する。

信じられないほどの高速を可能にした理由についてマクラーレンでは「空力と軽量ボディ」をあげている。さらにもうひとつは、言うまでもなくバッテリーとインバーター。高効率の冷却システムの採用で、最大効率の出力が得られているとマクラーレン。

上記のシステムは「量産車で採用されるのは初」といい、これにより高速で長距離の移動が可能になるそうだ。スポーツカーが新しい時代へと入りつつある。

小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト
慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。読者の方がたの興味に合致しそうな”いいクルマ”の世界を紹介していきたい。

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