マクラーレンがスポーツシリーズ、765LTをオンラインで発表

最高出力765馬力(563kW)@ 7500rpm、最大トルク800Nm@ 5500rpm

マクラーレンが新型車「マクラーレン765LT」を2020年3月3日に公開した。本来はジュネーブ自動車ショーでの公開予定だったが、ショーが中止になったため、英国本社からオンラインでのお披露目となったのも話題だ。

カテゴリーは従来、720Sが属しているスーパーシリーズになる。車名にあるとおり、765馬力(563kW)と、720Sの720馬力よりはるかにパワフル。3994ccV型8気筒エンジンは、最大トルクも800Nmとかなりなものだ。

加速性能は、静止から時速100キロまでを2.8秒で加速と謳われている。720Sより約80キロ軽い1229キロのボディのメリットを活かして、同車より約15パーセント速くなっているという。

軽量化はチタン製のエグゾーストシステムをはじめ、F1グレードの(軽量)ギアボックス、薄いガラス、さらにポリカーボネート製のリアウィンドウなどの採用による。

スタイルは720Sの発展型。さらに空力的に磨きをかけ、リアのアクティブウィングを活用して、直線のみならず、コーナリングもブレーキングも異次元ともいえるハイスピードの世界をめざしているかんじだ。

シャシーはスーパーシリーズ(720S)のものをベースとしながら、フロントトレッドを6ミリ拡大するとともに、車高を5ミリ下げている。さらにサスペンションは油圧式の「プロアクティブ・シャシーコントロールⅡ」 を採用。専用のチューニングが施されているはずだ。

「このモデルは、1990年代のマクラーレンGTRに端を発するのLTシリーズ中もっとも動的に進化している」。マクラーレンはホームページで述べている。

「サーキット向けの操縦性、軽量化を追求した車重、最適化された空力特性、それに向上した出力」を特長として謳われる675LTは、「限られたカスタマー」のためのモデルという位置づけ。それを強調するために、通しナンバーが入れられるのだ。

軽量化のためにオーディオレスで売られる。もちろん希望すれば無償で装着可能。マクラーレンに親しんでいるひとは先刻ご承知のように、高品位のオーディオはマクラーレン車のセリングポイントのひとつ。なので、大胆な決定といえる。

「このクルマはドライバーとテレパシーでつながっているような(ダイレクトな)操縦性を持っています」。マクラーレンで開発を指揮したアンドレアス・バレイス氏はそうコメントしている。

全長4600ミリ、全幅1930ミリ、全高1157ミリ

 

サーキットとラグジュリーをともに追求したというインテリア

 

人工スウェードのアルカンタラで張られたスポーツシート

 

アクティブスポイラーが備わる

 

小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。読者の方がたの興味に合致しそうな”いいクルマ”の世界を紹介していきたい。

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