強さは美しさ。 日本がたどり着いた伝統美 -G-SHOCK MR-G-


時計好きであれば、誰もが一度はG-SHOCKを着けたことはあるだろう。今や世界中で人気を集めるメガブランドとなったが、進化は今も継続中。時計愛好家を納得させるだけの個性を持った新作が登場した。1983年の誕生以来タフという個性を守り、今や世界ブランドへと昇華したG-SHOCK。世界的にはカジュアルな価格のモデルが人気だが、G-SHOCKに対する目の肥えたユーザーが多い日本では、ラグジュアリー路線も評価が高い。

そもそも高級時計ユーザーの中心である40~50代の男性は、若い時にG-SHOCKブームを経験しており、時計をファッションやライフスタイルのひとつとして楽しむことをG-SHOCKを通して学んできた。いわば“時計の父”であり、いつまでも心を揺さぶる存在なのだ。カシオでもそこは理解しており、目の肥えた高級時計ユーザーにも納得してもらうために、時計としての価値を高める戦略にシフト。メタルケースとアナログ表示を採用し始める。

G-SHOCKのメタルケース化は1996年からスタートしており、今年で20周年。耐衝撃性能はもちろんのこと、高級感や表現力をじっくり熟成させてきた技術だ。さらにアナログ化に関しても、10年以上のキャリアがある。しかもカシオでは技術進化によって“余力”が生まれると、それをデザイン面の進化に割り当てるという伝統がある。IC回路の省エネ化が進んで発電量に余裕ができたら、ダイヤルに金属パーツを使って表現力を高めるし、モーターが小型化したのなら、複数搭載して針の動き自体を楽しめるようにする。

タフという軸足をずらすことなく熟成を重ね、G-SHOCKの基準に見合ったメタルアナログウォッチを作っているから、高級時計のユーザーの心にも響くのだ。今年はG-SHOCKの最高峰ライン「MR-G」の最新作にて、さらなる個性を加えてきた。カシオが注目したのは日本の伝統美。金属を打ち出して鎚目を作り出す「鎚起(ついき)」という技法は、古くから甲冑などに使用しており、堅牢さの中に手作業の味わいを宿している。

さらにインデックスには、朧銀(おぼろぎん)と銅(あかがね)という伝統色を組み合わせており、目を惹きつける美しさがある。ちなみに搭載する時計モジュールは、GPS衛星電波と標準電波の両方に対応するカシオの独自技術「GPSハイブリッド電波ソーラー」を採用しており、都市部はもちろんジャングルや砂漠でも正確な現在地時刻を示すことができる。タフな構造と伝統美、そして実践的な高精度機構を備えることで、G-SHOCKは新たな価値を作り出し、所有欲を刺激する時計へと進化している。

このモデルに鎚起を施すのは、京都生まれの鎚起師、浅野美芳さん。浅野家に代々受け継がれてきた鎚起の技術を受け継ぎ、国宝級の金工美術品の修復や再現などを行っている。

鎚起仕上げを施しているのは、ベゼルと中間駒。非常に目立つ場所なので、時計の表情に高級感が生まれる。

メタルパーツの表面にDLC処理を施し、精悍なブラックケースになっているため、銅色も効果的だ。

G-SHOCK
MRG-G1000HT-1AJR

タフ&ラグジュアリーを実現したG-SHOCKの最高峰。伝統技法である鎚起と最新の高精度機構「GPSハイブリッド電波ソーラー」が融合し、他にはない個性となった。メタルG-SHOCKの20周年を記念するモデルでもあり、裏蓋には、シリアルナンバーが入る。世界限定300本。クォーツ。Tiケース。ケース径49.8㎜。75万6000円

「現在こちらの製品の製造は終了しております。」

カシオ計算機 お客様相談室 Tel.03-5334-4869

Photographs_NOBORU KURIMURA.

2016年6月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

関連記事一覧