【BRAND-PICK-UP】THE MIGHTY BLUE 静かなる強さをまとう

G-SHOCK MR-G 澄み渡る、鍛錬の青

「落としても壊れない」そんな強さを追求した腕時計のカテゴリーを拓いたG-SHOCKの初代モデル「DW-5000C」。時計史に燦然と輝くマスターピースは、最高水準の技術とクオリティを与えられ「MRG-B5000」として甦った。3月にリリースされるや大きな反響を呼んだシリーズに、早くも最新モデルが登場した。

初代モデル「DW-5000C」のオマージュから生まれた「MRG-B5000BA」。目指したのは、一切の無駄を削ぎ落し、耐衝撃機能という強さの本質を極めることだ。静謐でありながら内に秘めた強靭さを追求する姿勢は、どこか禅の精神を彷彿させる。

書や水墨画に用いられる「青墨」には静かな強さ、そして心を癒し、整える力があるとも言われる。この深みのある美しい青をキーカラーとしたのもうなずける。これから紹介する「MRG-B5000BA」は、その圧倒的な仕様と性能においてG-SHOCKの本質を極めたモデルといっていい。

ケースとバンドは高質感の高いブラックで、ナノレベルの薄膜によってこれまでにない耐摩耗性を実現するDLC(Diamond Like Carbon)処理が施されている。

バンドのピンやベゼルには美しいブルーIPでキーカラーの「青墨」が印象的に配されている。文字盤に初代モデルのアイデンティティであるレンガパターンが描かれているが、ここからもG-SHOCKの本質を追求するという意志が読み取れる。

ケースデザインも初代モデルのスクエアを踏襲しているが、その構造は大きな進化を遂げている。これまで一体成形だったベゼルをなんと25点ものパーツに細分化しているのだ。これはまずパーツ研磨が難しかった箇所を質感高く仕上げるためで、熟練職人の手仕事でザラツ研磨を施し組み上げられる。

さらに細分化されたベゼルパーツの間に板バネやシリコンなどの緩衝体を組み込んだ新開発マルチガードストラクチャーによって耐衝撃性能を強化している。素材の採用にも目を見張る。ケースおよびベゼルには64チタンをベースとした高硬度チタン。

バンドには腕時計への使用はほぼ初めてという純チタンの約3倍の硬度をもつチタン合金DAT55G。さらに特筆すべきはベゼルトップに採用されたコバルトクロム合金コバリオンである。

プラチナに匹敵する輝きを放つ貴重な素材だが、純チタンの約4倍の硬度があるため無垢材から削り出すという贅沢なパーツが採用されているのだ。「MRG-B5000BA」は、G-SHOCKの新たな歴史を刻む。新機構や数々の新素材への挑戦をかたちにした開発陣の迷いのない強い心に拍手を送りたい。

高硬度素材のコバリオンやDAT55Gなど日本開発の新素材をふんだんに採用。

通常は一体成型のベゼルを25点のパーツに細分化し、それぞれを丹念に研磨、極めて美しい仕上がりを実現。

ベースのブラックに青墨ブルーのあしらいが美しい。液晶ディスプレイは視認性に優れた白黒反転液晶。反射防止コーティングが施されたサファイアガラス。

ザラツ研磨など細部にまでこだわり抜いた匠の技が隅々まで息づく。

「青墨」をコンセプトに禅の世界を彷彿させるデザイン。初代モデル「DW-5000C」のアイデンティティであるレンガパターンがG-SHOCKファンの心を掴み、余分なものを削ぎ落しながら圧倒的な機能美が手にした人を魅了する。「MRG-B5000BA-1JR」46万2000円。問 カシオ計算機お客様相談室 Tel.03-5334-4869

勝色が運を呼ぶアナログモデル

日本の伝統色「勝色(かちいろ)」をデザインモチーフにした「MR-G」のアナログモデル。戦いを勝ち抜くことで名を馳せた侍の生きざまを時計全身で表現している。ベースモデルにはMRG-B2000を採用。文字板の「鱗紋」をはじめ、ベゼル内側、インダイアル、ロゴに「勝色」を配色した剛健なデザインが魅力。電波受信機能とBluetooth®通信機能によるスマートフォンとの連携に対応。古来より受け継がれてきた強さや美意識を継承するモデル。「MRG-B 2000B-1AJR」33万円。

Text : T.Yod
Photographs:Hisashi Wadano

2022年6月『HORLOGERIE』本誌より引用(転載)

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