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「クロノオフショア1が大きく進化。また復刻モデルもお見逃しなく!」

スイスのスポーツウォッチブランド「EDOX(エドックス)」は今年2024年、創業140周年を迎えた。これを期に、去る10月初め記念モデルと共に取締役兼セールス&マーケティング ディレクターのクリスチャン・オッツ氏が来日した。2005年から現職にある氏は、エドックスのこの20数年の躍進を支えた立役者だ。エドックスとはどんなブランドなのか。また、140周年の記念モデルと新作について聞いた。 (取材/渋谷康人)

「エドックスは、高度な防水性を備えたスポーツウォッチです」

数百もの時計ブランドがしのぎを削るスイスの時計業界。「EDOX(エドックス)」はその中でも個性が明白なスポーツウォッチだ。創業は1884年だが、世界的な存在になったのは1950年代。従業員500人を抱えるトップブランドに。

そして1961年、現在のエドックスにつながる画期的な製品が登場する。リュウズ部分にダブル・O(オー)リングをいち早く採用することで、ねじ込み式リュウズなしで当時としては画期的な200m防水機能を実現した「デルフィン」だ。

「このモデルが、現在のエドックスの原点だと言っていいでしょう。他社よりも常に一歩先を行く、高度な防水性、機能性を備えたスポーツウォッチ。私がエドックスに入社したのは、今から20年ほど前の2005年です。当時も今も私たちは、この原点を踏まえ、発展させた製品の企画・開発・展開を行ってきました」

パワーボートレースの最高峰とコラボレーション!

今年140周年を迎えたエドックス。筆者は2007年、当時世界最大の時計宝飾フェアだったバーゼルフェアのメインフロアにあったエドックスのブースを取材している。最初に取材したのはスーパースポーツカーブランド「ケーニグセグ」とのコラボモデルだ。

そして2006年に誕生した、1961年の「デルフィン」のDNAを受け継ぎ発展させた、現在のエドックスを代表するダイバーズウォッチ「クロノオフショア1(ワン)」のファーストモデル「クラス1」の価格を超えたハイスペックに驚いた。それは今も変わらない。

「クラスワン」は、世界パワーボートレース選手権のトップカテゴリー。5トンを切る船体に1100馬力を超えるパワーを発揮するツインエンジンを搭載。時速250キロに迫るハイスピードの闘い。エドックスは2008年から2014年までオフィシャルタイムキーパー(公式計時)を担当。また当初はオフィシャルチームでの参戦も行っていた。

モデル名の「クラス1」の「1(ワン)」は、“海のF1(フォーミュラーワン)”とも言われるパワーボートレースの「クラスワン」に由来するネーミングだ。

「エドックス」というブランド名と、ダイバーズクロノグラフとして価格をはるかに超えるハイスペックを当時から実現していた「クラス1」の名はこの公式計時担当の結果、一気に世界中で知られる存在に。筆者は2011年10月に、イタリアのコモ湖でこのレースを実際に取材して、まさに「海のF1」と呼ぶのにふさわしいそのダイナミックなパフォーマンスに驚愕した。

そして「クラス1」は2015年に「クロノオフショア1」というモデル名、コレクション名に改名され、現在も、エドックスの中でもっとも人気の高いフラッグシップモデル、コレクションになっている。

エドックス成功の立役者

エドックスの製品展開、「クラスワン」レースの公式計時担当も、2005年に入社後、セールス&マーケティング ディレクターを務めていたクリスチャン・オッツ氏による「エドックス」ブランドの再生復活計画の一環。それまでエドックスは時計の歴史に残る画期的な製品をいくつも送り出してきたものの、残念ながら知名度はいまひとつという状況だった。

続いてエドックスが展開したモータースポーツクロノグラフ「クロノラリー」コレクション、そのプロモーションのために行った2009年〜2012年のラリー競技の最高峰、ワールド・ラリー・チャンピオンシップ(WRC)のオフィシャルタイムキーパー(公式計時)から、ブランドの知名度は一気に高まった。

続く2012年〜2016年は「ダカールラリー」を、さらに2013年〜2016年まではヨットレースの最高峰「エクストリーム セーリングシリーズ」の公式計時も担当。そして2016年〜2017年はモータースポーツの最高峰「F1」で、当時のザウバーF1チームのスポンサーにもなっている。

現在、スポーツウォッチの世界で確固たる地位を確立したエドックス。これは「最先端のスポーツとコラボレーションする」という、オッツ氏のこうしたマーケティング戦略の成果。つまりオッツ氏こそ今の「エドックスの成功」の立役者なのだ。

「クロノオフショア1」にベゼルロック付きが新登場!

そしてブランド140周年を迎えたこの秋、この「クロノオフショア1」コレクションから、画期的な新作モデルが登場した。「クロノオフショア 1 ベゼルロック クロノグラフ オートマティック」だ。 (2024年11月25日発売)

ダイバーズウォッチには欠かせない、潜水開始時間をマーキングする逆回転防止機能付きのセラミックベゼルに、ブランド初となるロック機能が新たに追加された。ケース左側 9 時位置にある、水中でも視認性抜群のオレンジ、またはレッドのレバーを6時側にスライドすれば、通常の逆回転防止ベゼル同様に反時計方向にだけ回転。そして12時側にスライドすればロックがかかり、ベゼルが完全に固定される。もともとハイスペックな「クロノオフショア1」だが、このモデルはダイビング時の安心感がさらにアップした。

このロックレバーをアクセントにした、ケースサイドの削り出し部分を大きくしたシャープな新デザインの結果、見た目は定番の「クロノオフショア1」よりさらにスポーティに。ケース厚も薄くなったのでよりコンパクトな印象になっている。

 

クロノオフショア 1 ベゼルロック クロノグラフ オートマティック
飽和潜水用のヘリウムエスケープも搭載するプロフェッショナル・ダイバー・クロノグラフの最新モデル。バルブケース径45㎜、ケース厚16㎜、自動巻き、セラミックベゼル付きSSケース、ラバーストラップ、シースルーバック、50気圧(500m)防水。01128-3NOCA-BUIDN(ブルー)/01128-3NRCA-NN(ブラック)/01128-37GNNOCA-GNO・(グレー×オレンジ)/01128-37GNRCA-GNR・(グレー×ゴールド)¥638,000/¥660,000(グレーPVDコーティングSSケース)

‘70年代モータースポーツ・クロノも復刻

スポーツウォッチブランド「エドックス」のもうひとつの柱、モータースポーツと関係の深い「クロノラリー」コレクションからも、140周年記念の新作が7月にすでに登場している。こちらは進化した「クロノオフショア」コレクションとは対照的な、ネオ・ヴィンテージクロノグラフ、1972年に発売した「スポーツマン クロノグラフ」の復刻版だ。またこのモデルには2021年の「BMW M モータースポーツ」コレクションの世界観も反映されているという。

オリジナルは手巻きだが、現代のクロノグラフなのでもちろん自動巻き。しかも約62時間パワーリザーブの新型ムーブメントを搭載。トノーというかTVスクリーン型のケースにドーム型のサファイアクリスタル風防。そして文字盤は角形バイコンパックス(ツーインダイヤル)スタイルで、ブレスレットはミラネーゼタイプ。そしてヴィヴィッドな文字盤カラーリングと’70年代のレーシングテイストが満載だ。

もちろん時速計測のためのタキメーターインデックスを搭載し、防水性もオリジナルの4気圧から30気圧へと大幅にスペックアップしている。付属のレザーストラップも’70年代テイストの、中央に大きな穴を空けたパンチングタイプ。「ネットのコミュニティやSNSで『スポーツマン クロノグラフ』をぜひ復刻してほしいという声に応えました」とオッツ氏はこのモデル復刻の理由を語る。

時計業界を見回しても、ここまでハイスペック、コストパフォーマンスの高い’70年代テイストのネオ・ヴィンテージクロノグラフは他にない。2モデルあり、どちらも600本限定なので、心惹かれた方はこの機会をお見逃しなく!

クロノラリー スポーツマン クロノグラフ オートマティック
ネオ・ヴィンテージ感が新鮮なツーインダイヤルクロノグラフ。ケース径41㎜、ケース厚16.8㎜、自動巻き、SSケース&ブレスレット(レザーストラップ付属)、シースルーバック、30気圧(300m)防水。08202-3BU-BUIN(レーシングブルー)/08202-3G-GIN(ヴィンテージグレー)¥715,000 各世界限定600本

さらにもうひとつ「大いなる海」というモデル名にふさわしく、エドックスの中ではもっともエレガントなディテールを持つ「グランドオーシャン」コレクションからも、記念モデルが登場する予定だ。こちらも、どうぞお見逃しなく!

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