トヨタGRスープラ

全長は4380ミリ、全幅1865ミリ、全高は1290(SZは1295)ミリ

トヨタが2019年5月に発表した2シーターのスポーツカー、GRスープラはとてもよい。3リッター6気筒モデルと、2リッター4気筒モデル(出力違いで2モデル)の計3モデルあり、すごいと思うのは、3車種がどれも異なる味わいを持つことだ。

じつは(ご存知のひとも多いと思うけれど)味わいの違いに大きく貢献しているのは、その3つのBMW製エンジンだ。「RZ」には、250kW(340ps)の最高出力と500Nmの最大トルクを持つ6気筒ユニットが搭載されている。

2リッター4気筒エンジンには、190kW(258ps)の「SZ-R」と、145kW(197ps)の「SZ」が設定されている。6気筒の「RZ」と「SZ-R」は、シャシーもスポーティで、アクティブディファレンシャルギア、電子制御ダンパー、それにミシュランのパイロットスーパースポーツなどを備える。

6気筒の「RZ」はパワフルさで抜きんでおり、加速力は驚くほどだ。ステアリングホイールはクイックで、カーブでは車体のロールを抑えつつ、すばらしい速度で回っていくことが出来る。サーキットでも充分に楽しめそうだ。

4気筒のなかでもパワフルな「SZ-R」もスポーティさではぴったりと「RZ」の後につく。4気筒の分ノーズは軽く、一般道ではこちらのほうが軽快かもしれないと思った。しかも6気筒のパワーを使いきるのは一般道では無理なので、「RZ」の690万円に対して590万円の「SZ-R」を買うのは、それなりに正当な意味がある。

私が個人で買うならこれかな、と思ったのは、ベーシックグレードともいえる「SZ」だ。金属バネゆえに足まわりはけっこう硬めなのだが、味わいつくす楽しみがある。エンジンパワーも1.4トンの比較的軽量ボディには充分で、これがふだん使いでもっとも楽しめるスポーツカーといっていいだろう。

旅行とかゴルフ(ゴルフバッグを2つ積むのは苦労しそう)にも使いたいというひとには、しなやかにも動くよく出来たサスペンションシステムを備えた「RZ」や「SZ-R」がいいと思う。欧州のスポーツカーに匹敵する出来のよいグランドツアラーだ。

スポーツカーが好きな運転好きなら、490万円の「SZ」を試してみる価値がある。日本車で2シーターというと、トヨタ86、スバルBRZ、マツダ・ロードスターといったすぐれたモデルがあるけれど、スポーツカーとしてはパワフルなGRスープラは数段上の出来なのだ。

2019年6月にドイツで開かれたニュルブルクリングの24時間レースでも総合41位で完走したし、今後も、積極的にモータースポーツへの参戦も表明されている。便利とかのキーワードが多い昨今の自動車界にあって、楽しいを前面に押しだしたGRスープラだけに、ポルシェやアストンマーティン好きも、いちど乗ってもらいたいと思う。

ワイドトレッド化による回頭性のよさが開発者のこだわり

 

スポーティなシェイプのシートは座面がややソフトでホールド性は高い

 

RZでは19インチホイールに扁平率35パーセントのタイヤを履いてもモンローのダンパーの効果もあり意外に乗り心地がよい

 

小川フミオ / ライフスタイルジャーナリスト

慶應義塾大学文学部出身。自動車誌やグルメ誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。活動範囲はウェブと雑誌。手がけるのはクルマ、グルメ、デザイン、インタビューなど。読者の方がたの興味に合致しそうな”いいクルマ”の世界を紹介していきたい。

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