THE ELEGANT LIFE OF CHASHITSU

日本の美意識が極まる空間と西洋伝統美が交差

特別なルールに則って生まれた、極めて小さな茶室は、質素さの中で「茶の前では誰もが平等である」という精神世界を説いた。そしてその作法や所作を楽しむ上流階級の伝統は、今では日本の美意識の象徴として受け継がれている。

翻って機械式時計はどうか?誰にも平等に流れる“時”の象徴であり、小さなケースの中に天文や物理の法則を詰め込んでいる。時計も茶室も、美しいという言葉の裏に哲学を含んでいる。

必然が生み出した、論理的な美しさ。

Rolex

オイスター パーペチュアル デイトジャスト (右)

堅牢なケースとねじ込み式のリューズ&ケースバックから成る防水ケース「オイスター」は、水分から時計を守り、水分時計を実用させた立役者である。1945年に登場した「オイスター パーペチュアル デイトジャスト」は、今では高級時計の普遍的なスタイルとなった。36㎜サイズのケースは、完璧なプロポーションとして受け継がれており、誰もが知るアイコンとしての価値を持つ。自動巻き、18KYGケース、ケース径36㎜。/日本ロレックス 問03-3216-5671

IWC

インヂュニア・オートマティック“AMGブラックシリーズ・セラミック (左)

「インヂュニア」は、IWCのエンジニアリングへのこだわりを象徴している。その最新作「インヂュニア・オートマティック“AMGブラックシリーズ・セラミック”」では、ケースにセラミックを採用。軽量な上に傷も付きにくいという理想的な素材を使うことで、ユーザーフレンドリーな時計に仕上げている。ケースはマット、ベゼルはポリッシュで仕上げ分けた。自動巻き、セラ ミックケース、ケース径46mm/IWC 問03-3288-6359。

太陽や月の動きで、移ろいゆく季節を知る

ZENITH

エル・プリメロ クロノマスター グランドデイト ムーン&サンフェイズ

高速振動する傑作クロノグラフムーブエント、エル・プリメロを観賞できる「エル・プリメロ クロノマスター グランドデイト ムーン&サンフェイズ」。6時位置の表示は、ディスクが二枚重ねになっており、月と太陽の動きをそれぞれに表示する仕組み。宇宙空間で繰り広げられるダイナミックな天体ショーを、腕元に搭載したロマンティックな一本。中秋の名月を眺めたくなる。自動巻き、SSケース、ケース45mm。/LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス 問03-5524-6420。/山田平安堂

守るべき伝統と、そこから生まれる進化

HUBLOT

キング・パワー ウニコ チタニウム ホワイト

時計界を驚かせ続けるウブロ。視認性や針の長さ、装着感など、ディテールは伝統に則っているが、それ以外のデザインや機構は大胆そのもの。その独特のミックス感で、時計好きの心を掴んで離さない。「キング・パワー ウニコ チタニウム ホワイト」は、自社製クロノグラフムーブメントを搭載。主要パーツにシリシウムを使用しており、耐久性や耐磁性能が向上。さらに使いやすい時計へと進化した。自動巻き、チタンケース、ケース径48㎜。/ウブロジャパン 問03-3434-3002

必要な機能だけを追求する、達人の道具

BREITLING

トランスオーシャン・ユニタイム・パイロット

“プロフェッショナルのための計器”を標榜するブライトリングでは、全てが機能的なロジックで生み出されている。繊細なクロノグラフにワールドタイム機構を組み合わせた「トランスオーシャン・ユニタイム・パイロット」は、世界中の現在時刻を同時に表示する国際派ウォッチ。しかし色数をなるべく抑えることで視認性を高め、操作方法をシンプルにすることで使い勝手を高めている。自動巻き、SSケース、ケース径46mm。/ブライトリング・ジャパン 問03-3436-0011

古きものを大切にするという気持ち

CHOPARD

イタリアで開催されるクラシックカーレース「ミッレ ミリア」をサポートするショパールは、伝統を大切にする時計メーカー。毎年限定モデルを発売しており、時計界におけるコレクターズアイテムとなっている。今年はGMT機能を搭載した「ミッレ ミリア GMT クロノグラフ 2013」を発売。クラシックカーに使われる旧式のレースタイヤ模様を模したラバーストラップも効果的。自動巻き、18KRGケース、ケース径44mm。/ショパール ジャパンプレス 問03-5524-8922

伝統の中に加えるひとさじのモダン

Oris

アートリエ トランスルーセントスケルトン

ムーブメントの地板を丁寧に肉抜き加工し、内部機構を見せるスケルトン仕上げは、時計界における古典的な手法。しかし「アートリエ トランスルーセントスケルトン」の場合は、程良くモダンな味付けをしている。例えばムーブメントの外縁部をトランスパレント化しており、向こう側が見える。さらに針はグレー仕上げ。ケース径もやや大きめにすることで、新世代のスケルトンウォッチを作り出した。自動巻き、SSケース、ケース径40.5mm。¥252,000/ユーロパッション 問03-5295-0411。

深みのある黒艶が時計を魅力的に見せる

Cuervo Y Sobrinos

プロミネンテ ソロテンポ デイト

キューバのハバナにて創業したというユニークなルーツを持ち、デザインでカリビアンな空気を演出するスイスブランド。「プロミネンテ ソロテンポ デイト」では、ブラックコーティングを施したケースによって、艶っぽい雰囲気を作り出した。自動巻き、SSケース、ケース縦52×横31mm。/ムラキ クエルボ・イ・ソブリノス 問03-3273-0321

年を重ねることは美しさを重ねること

Bell & Ross

BR03-92 ゴールデンヘリテージ

航空計器の意匠そのままを思わせるゴールドカラーのインデックスを持つ「BR03-92 ゴールデンヘリテージ」は、新品ながら既に使い込んだ風合いを楽しめる。しかも針はゴールドなので、高級感もある。天然レザーのストラップは使いこむほどに味が出てくる。自動巻き、SSケース、ケース縦42×横42mm。/ベル&ロス(オールブルー) 問03-5977-7759

hoto by Hisashi Wadano
Thanks to Yamada Heiando
東京国立博物館 茶室 応挙館にて撮影。

2013年9月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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