【藤崎聡子の一品×逸品ワイン】ミネラリティとピュアさ 料理との相性も抜群

塩のテイスティング:シャンパンが持つミネラリティを意識すると塩の複雑さを研究したくなる。素材には甘みがあるものを選ぶとベスト。まずはシャンパンと塩だけで味わうと味覚の繊細が伝わってくる。日本酒と塩、が面白いようにシャンパンと塩、もありなペアリング。日本には多くの塩が流通しているので、お好みの味を見つけることもできる。

リゾートのお供は器用な存在のシャンパンがベスト

行動制限のない移動が解禁になりました。バカンスの計画も進んでいることと思います。特にリゾート地へ行くことは本当に久しぶりだと感じている方も多いでしょう。一方でコロナ前の盛り上がりとは現実的に大きく変化している可能性もある。

リアルに感じるのは飲食系ではないでしょうか。お気に入りだったあのレストランがなくなっていた、いつもワインを買っていたお店が消えていた、など、リゾート地ならではの現実があると思います。食べたいもの、飲みたいものがないというのはある意味楽しさ半減。であれば、器用なアイテムを持参する。これが一番だと思うのです。

今回ご紹介するシャンパンメゾン・アヤラ。2023年4月にボトルのフォルム、エチケットのデザイン、味わいの将来性を考えたブレンド比率、つまりシャンパンの顔となる部分が変わりました。味わってみて感じたことは熟成の進化を確実に感じられるものになっていること。

地球温暖化や環境の違いから、同じ作業をしていても10年前とは同じようにはならない。同じ味わいを作り続けるためにはもっと研究が必要だ。そう考えた彼らは月日をかけメゾンの骨格となるミネラリティに主軸をおき、味わいのピュアな部分を尊重できる仕上がりを目指しました。

それがようやくお目見えしたのです。シャンパンは冷やしておけば、どのようなシチュエーションでも完璧に楽しめる。悩む必要のないアイテムです。特にアヤラは同じブレンド比率でも最後のドザージュを変え、明確な味わいの違いも楽しめるアイテムを持つ唯一の存在。リゾートで楽しみ方が一つ増えると思います。1本と言わず、3本まとめていかがでしょうか。


メゾンの顔となるノン・ヴィンテージ基本の味わいはここから
シャルドネ55%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ15%。ドザージュは1Lあたり6g。厳選された70クリュのブドウを使用、発酵は異なるサイズのステンレスタンク120基を用いる。アタックのやさしさ、熟成からくる味わいの奥深さ、シャルドネが表現するミネラリティのバランスが完璧。進化したと感じる1本。「シャンパーニュ アヤラ ブリュット マジュール」750ml 9020円 ㉄三国ワイン


ドザージュの違いが明確に伝わってくる器用な1本
ブレンド比率、70クリュのブドウを使用、発酵、ここまではマジュールと同じ。違いはドザージュ。ナチュールなのでノン・ドザージュ。マジュールとの違うはアタックにくるピュアリティさ。キリっと引き締まるがブドウ本来の成熟した旨味が一緒に現れてくるのでもう一口欲しくなる。6℃に冷やしてスタートがお勧め。「シャンパーニュ アヤラ ブリュット ナチュール」750ml 9680円 ㉄三国ワイン


2016年ヴィンテージしなやかな酸味高い期待値
多くのメゾンが2016年ヴィンテージ未発表のなかアヤラは2023年5月リリース。ドザージュ5g以下とは思えないほどブドウ本来のピュアな甘さが引き立つ。シャルドネ特有の酸味は長期熟成を期待できるミネラル感を持ち合わせている。非常に将来性を感じる味わい。ケース買いして熟成の時間を比較したくなる。「シャンパーニュ アヤラ ル・ブラン・ド・ブラン2016」750ml 14520円 ㉄三国ワイン

Information Contact

三国ワイン
Tel.03-5542-3939

2023年6月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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