【藤崎聡子の一品×逸品ワイン】ブドウ本来の美味しさは テロワールの 偉大さにつながる

焼き鳥 できれば塩系で。部位はお好みで良い。味わいの変化はワサビ醤油、黒七味、塩コショウ、そしてユズ胡椒。ワインの多様性を知ることができる。

美味しいワインとはブドウの苗木とテロワールの相性が最大の要因。日本ワインで注目すべきは北海道。熟成の期待が高まる1本が誕生しました。

ワイン作りにおいて何が大切なのか。シャンパーニュ地方から来日している生産者と話をする機会がありました。話をしながら思ったこと。ブドウの苗木、これがしっかりしていればよい、ということではないと確信しました。例えば、ブルゴーニュの著名なワイナリーが仕入れをしている苗木業者から同じクローンのものを植樹したとしても同じような味わいには絶対ならない。それをウリにしているワイナリーは避けた方がよい。そもそも自分たちの土地でその苗木は育つのか、という点がずれていると思うのです。そのようなことを思いながらやはり土地、テロワールの大切さを改めて勉強している日々です。

コロナ明けになって多くの生産者があらゆる国からやってきています。最後にお会いしたのは7年前だね、というワイナリーオーナーも。ではその間、どのようなことを彼らが行ってきたのか。それは本当に大変な時代を迎えたという印象になっています。地球の温暖化、テロワールの可能性、過去の経験を活かし未来へとつなげられる術、どれも当たり前のように聞こえますが、一番大きな変化はやはり地球温暖化。海温が上がり、暑さが続き、雨は降らない。山火事が起き、熱波が吹き荒れ、いきなりの豪雨。経験のない環境の変化でワインを作り続ける、その彼らの想いが大切な1本のワインになっているのだな、と。

日本も同じ、地球温暖化の影響は各地で発生しています。今回ご紹介する北海道・余市も同じ。ただ余市はフランス・ブルゴーニュ地方と緯度が同じ、冷涼な時代を経ての今になります。テロワールも深く研究され、作り手が作りたいブドウ品種ではなく、その土地にふさわしいブドウ品種を考えワイン作りを続けているのです。収穫は2023年、酸味と香りの存在を教えてくれるスパークリングワインが誕生しました。これは今飲むべき1本になるに違いありません。香りの楽しさと考えたら2本購入、今の記憶を頼りに2本目はこの秋召し上がってみてください。食材との組み合わせでまた違う香りが存在することに気づくと思います。


香りの華やかさは完全に熟したブドウの証キレのある酸味にも惹かれる
北海道・余市で生産されているバッカス100%。ワイン名にもなっているヴィエイユ・ヴィーニュ、このスパークリングを誕生させているブドウ樹は樹齢40年以上。日本ではお目にかかることの少ない希少価値的存在である。またバッカスは完全に熟したブドウを収穫しなければ華やかな香りが生まれてこないと言われている。このスパークリングは一口、口に含んだ瞬間広がるアタックが素晴らしい。シャープながらふくよかさを兼ね備えている。酸味もしっかり存在しており香りと酸味のバランスを楽しめる1本。「キャメルファームワイナリー バッカスエクストラ・ドライ 2023 ヴィエイユ・ヴィーニュ」750ml 3278円

Information Contact
キャメルファームワイナリー
Tel.0120-415-023

SATOKO FUJISAKI[ワインスタイリスト]
ワイン専門誌を創刊、編集と広告マーケティングを兼任後独立。男性ファッション誌を中心にワインと料理のペアリング、レストラン紹介などを執筆。世界的なワイン漫画『神の雫』でもコラムを連載。レストランプロデュース、ワインリスト制作も手がける。ジャーナリスト最年少でオフィシエ・ド・シャンパーニュ叙任。

2025年3月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)

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