【藤崎聡子の一品×逸品ワイン】氷を入れて飲む ワインの時代が やってきた
南仏リゾートでは当然のように振舞われる氷入りワイン。楽しみ方を尊重してくれるスタイルである。
おいしいワインを味わうテクニック。それは飲み手の努力も必要である。ブドウ品種に合わせたグラス、保存方法、温度、抜栓のタイミング……。ワインは心を尽くせば尽くしただけ、自分に寄り添ってくれるパートナーになる。作法にとらわれる必要はない。自分がおいしいと思う飲み方こそ、ワインを生き生きとさせる秘訣。そのひとつの例として、これからの季節に、お気に入りの南仏の飲み方をご紹介しよう。
それは氷を入れること。多くの方が一瞬驚くが、私が伝えたいことは氷を入れて飲んでもおいしい品種を選べばよい、ということ。なんでもよいわけではない。今回紹介するワインは、生産国でも“氷入り”を日常のスタイルで楽しんでいるアイテムである。まとめてみたらヨーロッパが揃った。
おすすめその1。ポルトガルのロゼは、冷やして飲むとさらにおいしさが表れてくる。酸味と果実味がバランスよく支え合うイメージだ。おすすめその2。スペインの白は、土着品種を選ぶこと。それを冷やすと、まろやかさが活きてきて、しっかりとした味わいを伝えてくれる。おすすめその3は、これからの季節の定番ランブルスコだ。騙されたと思って氷を入れてみてほしい。シャープな味わいに変わり、もう一口欲しくなる。この3本、氷の存在を意識してみることでおいしさ倍増になるはずだ。
柔らかい微発砲のロゼならでは軽やかさも楽しめる
ポルトガル・ヴィニャオン種100%。スクリューボトルだが微発砲のロゼ。非常にさわやか、キレと果実のうまみが表れてくる。氷を入れて冷やすことで食事の複雑な味わいが引き立つ。あっという間に1本なくなるに違いない。冷蔵庫で冷やしておくと良い。キンタ・ダ・カルサダ「ラーゴ ヴィーニョ・ヴェルデ ロゼ」750ml 1760円 ㉄TYクリエイション
ブドウの個性が合わせる料理をもっと引き立てる
スペイン・ガリシア州原産のゴデーリョ種100%。熟した果実のような柔らかさと豊かなミネラル、香りには果実のおいしさを感じさせてくれる。氷を入れてもだれることなく、一定の味わいをキープできる強さがある。グリルした料理、スパイスの旨みを味わえるものなどと合わせたくなる。ビルヘン・デル・ガリア「パゴス・デル・ガリア ゴデーリョ2020」750ml 2860円 ㉄三国ワイン
果実の旨みと酸味バランスが良いとはこの味わいである
イタリア・ランブルスコ・グラスバロッサ種100%。濃厚、うまみが凝縮、香りも華やか。甘さを意識すると良い意味で裏切られる。シャープなアタックは作り手のテクニックが見事であることの証。これは常備しておきたい1本。タンニンもおだやかでインパクトのある味わいの料理とも合わせやすい。マニカルディ「ランブルスコ ヴィーニャ カ デル フィオーレ」750ml 2420円 ㉄フードライナー
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2022年6月「HORLOGERIE]本誌より引用(転載)